出版社内容情報
実母の幼馴染みの女性に育てられたお佐奈は、江戸は深川清住町の船頭と夫婦(めおと)になった。そんな彼女の前に、亡くなったと聞かされていた実母が訪ねてきた。お佐奈を産んですぐ、上方へ男と駆け落ちしたのだと言う。身勝手な実母の帰郷に憤懣(ふんまん)やるかたないお佐奈だったが、なんと実母は、姑(しゅうとめ)のもとで働くことになり……。
三人の母との間で起こる数々の難事を通じて、親子の在り方を描く感動の家族小説。
文庫書き下ろし。
【目次】
内容説明
実母の幼馴染みの女性に育てられたお佐奈は、江戸は深川清住町の船頭と夫婦になった。そんな彼女の前に、亡くなったと聞かされていた実母が訪ねてきた。お佐奈を産んですぐ、上方へ男と駆け落ちしたのだと言う。身勝手な実母の帰郷に憤懣やるかたないお佐奈だったが、なんと実母は、姑のもとで働くことになり…。三人の母との間で起こる数々の難事を通じて、親子の在り方を描く感動の家族小説。文庫書き下ろし。
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学教育学部卒業。2008年、「素見(ひやかし)」で第2回小説宝石新人賞を受賞。10年、若き町医者を描く長編『刀圭』でデビュー。18年、「着物始末暦」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
132
ふふふ、カバーイラストの想像通りの面白さだった。産みの母、養母、姑・・三者三様元気過ぎる。それぞれが喧しいのに三倍だものね(汗)連作6話、こんな人情話は大好物。佐奈と周平夫婦のキャラも好い。続きが読みたい。有りますよね?2025/09/04
タイ子
82
母が3人も寄ればそりゃうるさいでしょ。この3人とは、お佐菜という超イケメンの船頭を夫にそれなりに幸せに過ごしてきた女性の母親たち。実母はお佐菜を産んですぐに親友に預けて惚れた男と駆け落ち。育ての母はお手貸し(介護職)をしながらお佐菜を育ててきた。もう一人は姑。そんな時、実母が十数年ぶりに帰ってきた。お佐菜は怒り心頭、何をいまさらどの面下げてと怒ってみても実母はどこ吹く風のすま顔。3人の言い分はかしましいけど、どこか憎めないおっかさんたち。たぶん、ムダに人生を歩んでない矜持が見え隠れするからかも。2025/09/15
むつこ
24
新婚の主人公は亡くなったと聞かされた実母が現れ、育ての母、義母とお母さんが3人になり賑やかになる。みんなはっきり言う性格でさっぱりしてて肩が凝らないストーリー。江戸の下町だから成立するんだろうな。2025/09/15
fuku3
20
2025.10.12読了。深川清澄のお佐奈は、猪牙舟の船頭周平と夫婦にり二年。イケメンの周平は、芸妓や若い女子衆から声を掛けられる存在。妻のお佐奈に文句を付けにくる輩もいるしまつ。だが夫婦の仲は、いたって幸せである。そんな中、死んだと聞かされていた、お佐奈の実の母親お早知が、16年ぶりに上方から帰って来た。お早知は、乳飲み子のお佐奈を残し上方へ戯作者と駈落ちしていた。それを見かねた、お早知の幼馴染のお力が寅三の後添えとなってお佐奈をここまで育て上げた。お佐奈は養母、実母、姑の三人の母に揉まれて行く。2025/10/12
snowflake
1
「過ぎたお節介は仲違いの因になるだけだ」2025/09/22