出版社内容情報
老舗を救うのは革新の味か、伝統の味か――。
傾きかけた京都の料亭「糺ノ森山荘」を継いだ明美のもとに、亡き父の紹介状を携えた初老の料理人が現れた。
この男、腕は確かだが、つくる料理は古風なものばかりで、現場の板長との衝突が絶えない。そこで明美はどちらが料亭に相応しい料理をつくれるか、板長の座をかけた料理対決を提案する。
イワシ、筍、鱧……旬の食材を用いた勝負の行方、そして男の正体とは。
文庫オリジナル。
内容説明
老舗を救うのは革新の味か、伝統の味か―。傾きかけた京都の料亭「糺ノ森山荘」を継いだ明美のもとに、亡き父の紹介状を携えた初老の料理人が訪れた。この男、腕は確かだが、つくる料理は古風なものばかりで、現場の板長との衝突が絶えない。そこで明美はどちらが料亭に相応しい料理をつくれるか、板長の座をかけた料理対決を提案する。イワシ、筍、鱧…旬の食材を用いた勝負の行方、そして男の正体とは。文庫オリジナル。
著者等紹介
柏井壽[カシワイヒサシ]
1952年京都市生まれ。1976年大阪歯科大学卒業。歯科医・作家。京都関連、食関連、旅関連のエッセイ、小説を多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
65
『京都下鴨なぞとき写真帖』のスピンオフ的な作品なのかもしれない。でもこれも2作目が出ているし…京都弁の語りが楽しい。旦那のムートンさんも楽しそうな人なので『京都~』も読んでみよう。だし巻き卵の巻き方についてはへぇ~と思ったので早速試してみよう。2023/10/30
ひさか
37
PHP増刊号2021年11月号、2002年1,3月号連載の京都下鴨なぞとき料理帖を改題し、大幅な加筆修正を行い、書き下ろしのもみじ弁当対決、肉料理対決を加えて2022年7月PHP文芸文庫刊。舞い込んで来た岩田さんの謎が明らかになるかと思って楽しみに読みましたが、そこは謎のままというか、まぁそういうこともあるわな的ちょっとええかげんな世界観で、対決の結果と同じであまり問題にはならないのが面白かったです。京都下鴨なぞとき写真帖とクロスしているのも楽しかった。2022/09/25
リコリス
28
京都の料亭の板長をめぐる2人の料理人の料理対決。と書くとどろどろしてそうだけど柏井さんらしくスパっと描かれていて嫌な人が1人も出てこない。骨抜きした鱧料理、出汁巻きたまご、お肉の唐揚げどれも美味しそう。岩田さんの過去も気になるけどムートンの謎の方がもっと気になる〜笑。2022/08/07
BLANCA
27
「老舗を救うのは革新の味か、伝統の味か。父が夢枕に立ち、コロナ禍で経営に苦しむ京都の老舗料亭の女将となった明美。突然訪れた料理人・岩田と若き板長・荻原の料理対決」。だし巻き卵、鱧料理…。どれも美味しそう! 女将の夫・旬さんの存在が面白い。荻原さんの若いからこそ、挑戦する気持ち、悔しくとも負けを認める気持ちがとても良かったです。だし巻き卵の巻き方、奥が深いです。お客様に満足して頂く為に努力する「糺丿森山荘」、神様に守られる素敵なお食事処です。2022/09/24
たんぽぽ
25
京都下鴨なぞとき写真帖のムートンさんの奥様が主人公。 こちらのお話では、ムートンさんは随分思慮深い感じなんだけど…と思っていたら、あたふたもするのね。 お料理がどれも美味しそうで、あぁ、京都に行きたい。2022/09/27