内容説明
中国の都市部の世帯は、持ち家を平均1.5軒持っており、北京市の平均世帯資産は1億3392万円に上る。なぜ、彼らは「お金持ち」になったのか?本書では急激に豊かになった(上海市の大卒初任給は30年前の190倍に上る)中国人の資産の増やし方や消費傾向を紹介し、彼らのライフスタイルや価値観の変化を浮き彫りにする。たとえば、「Z世代」といわれる若者は商品の箱の中身を確かめないでモノを買うが、従来の中国人であればあまり考えられないことである。さらに、コロナ禍における消費傾向、子どもの教育や介護の実態にも迫る。
目次
第1章 中国人が「お金持ち」になった理由
第2章 不動産なんてもう要らない
第3章 子どもの教育費と老親の介護、年金
第4章 欲しいものを手に入れる若者たち
第5章 美食と健康のためなら散財する
第6章 給料だけではわからない本当の懐事情
エピローグ 価値観の変化から見えてくる新しい中国人像
著者等紹介
中島恵[ナカジマケイ]
1967年山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経てフリージャーナリスト。中国、香港、アジア各国の社会事情、ビジネス事情などについて執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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清游@草ぶえの丘で森林浴♨︎
25
『KOL』『完美日記』 『「閑魚」(Idle Fish)』『大衆点評』 若者世代だけで、日本の国家予算の約半分をグルングルン回す。借金してまでもグルングルン回す(金融リテラシーの基本思考が違うんだな)。 物理的な数値で、グングンと先へ行ってしまう。変化のギャップがあり過ぎて、例えば、数年前に深圳滞在して薬学勉強をされた方のお話を聞いた時があるが、どこの国の話をしているのか?さっぱりわからないほど(販売商品、インフラが激変している)。2021/11/20
mazda
13
中国の博士卒業者は、日本の学卒と同程度の初任給をもらっているそうなので、日本企業が中国で生産を行っていくことにメリットはなくなってきていると思います。1979年以降の一人っ子政策のため、今の40代の人たちは、子供の教育に莫大な資金を使うと同時に、親の介護もあり二重苦でアップアップのようです。これまでは住宅を買って転売というのが当たり前だったようですが、あまりにも高くなりすぎて購入を諦める世代も多いようで、住宅はもういらない、というトレンドになりつつある模様。2022/11/19
Hatann
9
著者は1988年に北京留学して以来、中国の市井に目を向けている。中西部の大都市にも目配りがあり、インタビュー人選にバランスが取れているところが心地よい。近年の著作は中国人の意識の定点観測のような意味合いがあり貴重だ。劇的な経済環境の変化が若者の消費・収入傾向の素早い変化を齎している。格差が広がり、学歴競争も激化する一方で、不動産所有志向が薄らいだ。著者が警鐘を鳴らす通り、中国については日本メディアの画一的な報道から受ける影響が大きく、根本的に見方を変えないと見る目がますます曇って現実とかけ離れるだろう。2021/07/22
ののまる
7
数年で様変わりする発展スピード。もうワシなんぞ、完全に浦島たろこ。2021/03/26
ジロ
3
中国人が金持ちになった理由が書かれている。そして、意識も変化し始めている。今の若い人はお金は貯めるものじゃない、欲しいものは借金してでも買う。 今の中国は急速な変化をしており、5年毎に見ていかないと、10年前の中国と現在の中国は全く異なっている。 未だ中国に行った事がないが、中国の圧倒的なパワーを感じに行きたい。2021/02/05