出版社内容情報
「ビジネスの戦略は生物の戦略と似ている」――私たちの目の前にいる植物や生き物たちは、すべて38億年の進化の歴史の中で勝ち残ってきた勝者たちである。成功事例を学ぶことが、成功の秘訣であるとすれば、「生物の戦略」からビジネス戦略を学ぶことに、何の躊躇があるだろう。そこには進化の答えがあるのである。
サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長・新浪剛史氏推薦の書。
内容説明
ビジネスの戦略は生物の戦略と似ている。GAFAの雑草戦略、ガラパゴスの強みなど。
目次
1 生き物にとって競争とは何か?(ナンバー1戦略とオンリー1戦略;ナンバー1しか生き残れない ほか)
2 生き物にとって変化とは何か?(多くの種が共存できる理由;変化はチャンスは本当か? ほか)
3 生き物たちのオンリー1戦略(生き物たちのコア・コンピタンス戦略;ナンバー1しか生き残れないのか? ほか)
4 生き物たちの戦略(生き物たちのブルー・オーシャン戦略;ブルー・オーシャン戦略と島の法則 ほか)
5 生物進化のイノベーション(生物の最初の革命;異分野とのコラボレーションが生んだ変革 ほか)
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士、植物学者。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
182
「生物の」生存戦略を知りたかったのに、経営戦略だっただよ。確かにね、似てるね。って言えなくないけど、敢えて絡めて語る必要があるのかな?強いて言えば、生命の生存戦略は長期に渡って繰り返されてきた結果なので、ビジネスに応用しても再現性が高いよ。とか言えるのかも知れない。そうで無いかも知れないけど、取り敢えずこの場はご納得頂けますよね。って言ってるみたいな。一つのニッチには1種しか住めないと言う事を大きな足掛かりにしていますが、周りを見ると重なりが見える。その辺りもっと掘り下げられたい。帯は捨てる派。2021/07/20
えっくん
25
★★★★☆生物が誕生して38億年の歴史の中で、如何に進化の過程で生き残って来たのか…ビジネス戦略も生物に学ぶべきことが多いと解説した本です。変化する環境に順応してきた生物を事例にあげながら、織機技術を自動車製造技術に応用したトヨタ自動車、デジタルカメラの登場によりフィルム製造から事業を多角化した富士フィルムなどニッチシフトやダイナミックケイパビリティ戦略が大切だということです。著者の専門分野である生物や植物が講じてきた戦略と対比しながら、マーケティング分野の各種戦略も解説されており勉強になりました。2021/03/24
ta_chanko
9
動植物に学ぶビジネス生き残り戦略。ナンバー1かつオンリー1になれる環境(ニッチ)を見つけ、速やかに進出する。餌・高さ・時間などを他の生物と棲み分け、生き残りを図る。環境の変化に対応する力や、厳しい環境下でのストレス耐性なども大切。過剰適応は環境の変化に弱い。ライバルがいなくなると、大きな生物は小さく、小さな生物は大きくなる。速く泳ぐ形はイルカもサメも魚竜も同じ。哺乳類も有袋類も同じように進化。もともと持っているものを生かす。長所と短所はトレードオフ。絶えず変化を続け、差別化を図っていく。2020/11/09
yahiro
4
かなり平易に書かれた生物学とビジネスの本。突き詰めると、「ニッチ」をどう見つけ、ポジショニングするか、ということになる。ビジネス戦略でポジショニングは大事だと言われるが、大事どころか、ほとんどそれがすべてである、ということがよくわかった。2020/10/18
Hiroki Nishizumi
3
オンリー1とはナンバー1のことを意味しており、いずれにせよブルーオーシャンを模索しているわけだ2021/01/31