出版社内容情報
嘘をつけない男と、嘘しか口にしない女――彼女が夜ごと語るのは、人形が夢見た物語? 幻想と現実が溶けあう、宝石箱のような短篇集。
内容説明
嘘をつけない男と嘘しか口にしない女が出会った時、物語は動き出す―。『魚神』『男ともだち』の著者が贈る、リアルと幻想が交錯する12のショートストーリー。
著者等紹介
千早茜[チハヤアカネ]
1979年、北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2008年、「魚神」で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で泉鏡花賞を受賞。13年、『あとかた』で直木賞候補、島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
209
大好きな千早茜さんの作品を読むのは12作目。青いリボンと人形をキーワードに紡がれる12編の幻想小説。まさに白昼夢のよう♪千早さんの美しく妖艶な文章でいろんな世界観に導かれ物語にスッと入っていくことができる。特にお気に入りはダヴィンチで既読だった「モンデンキント」(あかがね色の本を改題)。以前も泣きましたが今回も涙*あと「スヴニール」「ビースト」「ワンフォーミーワンフォーユー」も好み♬「マンダリン」「ロゼット」も印象的。千早さんにしか描けない独特で夢幻的な世界観*美しく繊細な文章を堪能していただける作品集♡2017/10/14
おしゃべりメガネ
158
う〜ん、困った。これだけ波がある短編集だとなんとレビューを書くか非常に悩みます。正直、世界観がさっぱりなモノはさっぱりですし、私が好きな千早さんのちょっとダークサイドな感じがしっかりと書かれている作品もあります。千早さんファンの方々の中でも賛否両論になるのかなと。全体的に前半はファンタジーテイストかつ若干ホラーな部分もあって、ちょっと読み進めていくのに戸惑いましたが、後半は望んでいた千早さんワールドでした。自分的には今作は読むタイミングをちょっと間違えてしまったかもしれません。次回作品に期待したいです。2017/09/30
かりさ
110
人形たちは微睡み夢をみる。青いリボンをたぐり寄せ、その秘められた想いを包み抱きしめまた次へと想いを繋ぐ。妖しくなまめかしく艶やかな美しい物語たち。幻想的な世界を紡ぐ千早さんのお話たちはどれも離れがたいくらい魅力的で幾度も行きつ戻りつして浸りました。モノクロームの世界に色が宿るように、消えた体に命を吹き込むように、青い空が緋色に染まるように、硝子の世界に美しい物語と共に眠りについて夢をみる。「ビースト」や「モノクローム」「ロゼット」の世界観がとても素晴らしく、そばに置いていつまでも此処に居たいくらい好き。2017/10/25
nico🐬波待ち中
103
表紙に印象的に描かれている「青いリボン」が紡ぐ12の短編集。どの短編にも出てくる「人形」が幻想的で儚い世界観を醸し出す。何も喋らず表情のない人形たちに誘導されるように千早さんの世界観にどっぷり嵌まる。見事にどの短編も違うタイプの物語で、千早さんの引出しの多さに驚く。けれどどれも独特の雰囲気を纏い、各々の頁数は少ないのに内容は濃く、読後の余韻が波のように押し寄せるので次の短編に行く前に一息つかなければならない。湿っぽく薄暗い世界の中に一際鮮やかに澄んだ青いリボンは眩しすぎて、思わず目を逸らしたくなる。2017/11/24
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
95
85/100点 幻想と現実が溶けあう12の話しが詰まった短篇集。モノトーンな世界に挿し色のように登場する青いリボンと人形が印象的でした。どれもが美しく儚く切なく、そしてその底に微かに血の匂いを感じさせる、夢うつつの物語たち。千早ワールドを存分に堪能させていただきました。気に入った作品は「プッタネスカ」・「ワンフォーミー・ワンフォーユー」・「ロゼット」、そして一番のお気に入りは、他の作品たちと少しテイストの違う「モンデンキント」。また時を置いて、ゆっくり読み返したい一冊です。 2017/10/28
-
- 和書
- 藤沢周平残日録 文春新書
-
- 和書
- Mannequins