内容説明
32,000人の孤独死、1,500万の単独世帯、40,000件の熟年離婚…。「一人ぼっち社会」はどこまで広がるのか?孤独や貧困を救うにはどうすればよいのか。
目次
第1章 高齢単身者の激増という悲劇(孤独死の増加;単身者の急増 ほか)
第2章 家族をつくろうとしない人々(未婚者の増加;草食系男子と肉食系女子のミスマッチ ほか)
第3章 有縁社会だった日本(血縁とは何か;地縁とは何か ほか)
第4章 低下する家族の絆(離婚率がなぜ高くなったか;子育てに問題が生じている ほか)
第5章 無縁社会に期待される政策はあるか(個人の役割;地域共同体に期待できるか ほか)
著者等紹介
橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
同志社大学経済学部教授。1943年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。仏英独米で教育職・研究職、京都大学教授を経て現職。元日本経済学会会長、日本学術会議会員。著書に、『個人貯蓄とライフサイクル』(共著、日本経済新聞社、1994年、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本の経済格差』(岩波新書、1998年、エコノミスト賞受賞)、『家計からみる日本経済』(岩波新書、2004年、石橋湛山賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寛生
37
【図書館】〈大人〉が書いた社会学は絶望的。ノスタルジックすぎる。古市氏の言葉を借用すれば、「若者バッシング」にしかすぎず、「加齢効果」による「〈大人の〉若者論は、大人の自分探し」だ。内容も信じられないほど他書と重複している。驚くべきかな、何か〈アカデミア〉から新しいご提案があったわけではない。悲しむべきかな、最後の方、〈大人の〉社会学者がよくやる手ーアメリカとの比較が突然吹き出て、米国のようになれ!と。だったら、いい加減に〈大人〉はゲイとレズビアンに盲目になるのは止めるべき。(p.204)2014/03/16
ophiuchi
8
民主党政権時に書かれた本で、ここではその社会保障制度改革の方向性をある程度評価しているが、政権交代でほぼ元に戻ってしまった。日本の政治家と官僚に時代の先を見通して制度設計を行う能力が欠けているというのは同感で破綻は避けられないということなのだろうか?2014/01/27
Hiroki Nishizumi
2
正体、とうたっているが、それほど深い考察はなかった気がする2017/08/08
しゅう
2
話を進める際に用いるデータが大量にあり、現状の分析という点では非常に丁寧にされている。しかし筆者の提言する、問題に対する解決策などはなんというかぶっきらぼうな感じ。一文だけでまとめられている箇所もあり、解決策についてはあまり重点を置いていないのかもしれない。あくまで無縁化の過程を知るために特化している。橘木は、日本人は依存志向であると述べているが、私は違うと思う。小さい頃から自分で考え行動しなければならないと教育されてきたのは私だけでないはずだし、自立志向が日本の特徴であると考えているからである。2013/07/12
壱萬参仟縁
2
現代日本社会が、人口減少。超少子高齢社会になっている原因が、総合的に解明されている好著。特に、意識にまで踏み込んだデータ解析により、これからさらに事態が悪化していくと推測できる内容となっていて、感動しきりだった。自殺者、失業者、単身世帯の貧困化、そして、児童虐待にDV、離婚・・・と、すべての世代にとって、他人事ではない問題群に真正面からぶつかっていく勇気が感じられる。本著を読んで、単身で男性の高齢者のセーフティネットが欠如しているがために、自殺者がこうした人が多いのかもしれない、ということもわかった。2012/07/06