だれかが ぼくを―ころさないで

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だれかが ぼくを―ころさないで

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  • サイズ B5判/ページ数 1冊(ペ/高さ 26cm
  • 商品コード 9784569780672
  • NDC分類 E
  • Cコード C8793

出版社内容情報

少年を苦しみから救った、母の大きな愛。

憎しみを抱えたひとりの少年の耳に、だれだかわからない、なつかしい声が聞こえてきた。憎しみから彼を救ったのは……。

憎しみをかかえたひとりの少年がいた。少年はその憎しみをかかえきれず、人を傷つけようとしていた。そのとき、少年の心に聞こえてきた言葉、「――ころさないで」。誰だかわからない、でもどこかなつかしい声。遠くから波のように聞こえてくるその声に、少年は温かく明るい光を見出していく。つらく苦しい憎しみから彼を救ったのは、記憶の中の母であり、母の愛だった……。

▼母親をテーマにした絵本も手がける内田麟太郎氏。本書も、「母の愛」によって憎しみから解き放たれた少年を描いています。そんな内田氏の想いを、子どもから大人まで幅広い世代に人気の画家・黒井健氏の繊細な絵によって描き出します。内田麟太郎氏と黒井健氏の初コラボレーションでうまれた本作品は、子どもの心を包み込む母の大きな愛が心に響く、著者渾身の一冊です。

内容説明

憎しみから、ぼくを救ったのは…。憎しみを抱えたひとりの少年。彼の耳に誰だかわからない声が、聞こえてきた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

120
胸を打つ感動的な絵本。同時にいろいろなことを考えさせられる。人を殺そうとしていた少年が、どこからともなく聞こえてきた「ころさないで」と言う声を聞いて、殺人を思いとどまる。多分その声は多分少年を愛情で包み込んでくれた母親の声だろう。無力で自分では何もできない赤ん坊にとって、母親の愛情はそれほど大切なものなのだ。生きる時の根っこになるものと言ってよい。ただし、母親だけに任せるのではなく、大人全体が、赤ん坊を無条件の愛情で包み込む必要がある。この絵本はそのことを静かに教えてくれる。2016/08/29

117
ともだちやシリーズでは楽しい物語を描いてくださっている内田氏の絵本だが、この作品は誰に読ませるかがとても難しいと思った。心の中の暗黒を物語る港の夜の薄暗がりに光るナイフと殺意。「ころさないで」という言葉の繰り返しは精一杯の慈愛に満ちたものだろうけれど、小さな子どもには読ませにくい印象。対象として他人にハッキリした憎悪を抱く体験をするようになる9歳から思春期がベストだろうか。罪を犯した後に更生した人には響くかもしれないが、この絵本で気持ちを変えることができる人が多いといいけどな~というのが率直な感想。2014/04/07

おくちゃん🌸柳緑花紅

104
誰でも持っている憎しみの欠片。その憎しみから救うのは。。。あとがきを読むと心から「ああそうなんだなぁ」たったそれだけなのに憎しみを救うことになるんだなぁ。いっぱいいっぱいいっぱい言おう。心から言えるもの「かわいいね」「大好き」憎しみを救えるのは愛された記憶。愛されていたと実感できる言葉。 2016/02/11

masa@レビューお休み中

83
闇から光へと変わる。墨色のダークな世界にいた主人公は緑と黄色の光り輝く世界に向かう。ナイフを持ち、人を殺めようとしたひとりの少年は、「殺さないで」という言葉で思いとどまる。少年はその言葉の主を探すのだが…。まさかこんなシリアスな物語だと思わず、背筋が凍るような心持ちだった。一線を超えるか超えないかは、きっとこの声があるかないかなのだろう。それを人はもしかすると、良心という呼ぶのかもしれない…。2016/11/01

パフちゃん@かのん変更

44
「ともだちシリーズ」が人気の内田麟太郎さんの絵本。今まさに人を殺そうとしているぼくを止めてくれたのは・・・。後書きを読むと、内田さんは6歳で生みの母と別れ、その後継母にはかわいがって貰えなかった。あてつけにヤクザになろうと思っていた。とのこと。引き留めたのは多分6歳まで「りんちゃん、かわいいね」と可愛がってくれた母の記憶。彼がヤクザにならずに絵本作家になってよかった。愛されない悲しみの中から似たような思いを抱いている人に届けたい絵本。2013/10/14

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