出版社内容情報
Twitterで話題! 「どんなに探しても見つからなかった婚約指輪が、焼いたばかりの母の骨に混じっていた」等、一行で怖い怪談集。
吉田 悠軌[ヨシダ ユウキ]
著・文・その他
内容説明
「食べられないものありますか?と出されたメニューに人の名前しか書かれていない」。「絶叫をあらわす手話を見たせいで、私の鼓膜は破れてしまった。」題名は入らない。文章に句点は一つ。詩ではなく物語である。物語の中でも怪談に近い。以上を踏まえた一続きの文章。をコンセプトに創作された怪談小説集。想像力を刺激され、恐怖や不安、幻想、ユーモアなどを感じられる作品を多数収録。
著者等紹介
吉田悠軌[ヨシダユウキ]
1980年、東京都生まれ。怪談、オカルト研究家。怪談サークル「とうもろこしの会」会長。オカルトスポット探訪マガジン『怪処』編集長。怪談の収集や国内外の怪奇スポットの探訪をライフワークとし、雑誌・WEBでの執筆やテレビ・イベント出演など精力的に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
165
一行怪談の2冊目、著者は不吉でけったいな奇譚を書く天才で本当に素晴らしい才能ですよね。でも生真面目な性格の方は、相当に毒があって刺激の強い内容ですので読む時には十分ご注意してくださいね。怖~くて強烈な作品。私の誕生日を祝うため集まった女友達から、十秒だけ目をつむってねと指示されたので、ゆっくり十数えてから瞼を開けると、全員ぎっしり首を吊っていた。屋上やホームの端に立つたびに、喪服の幼児に裾をひっぱられる。本書の中で一番まともで心が安らぐ作品。いつも世界をきれいにお使いいただきありがとうございます、神より。2020/11/24
HANA
76
一行で完結する怪談二冊目。相変わらず普通の怪談に含まれる異様さを濃縮した様を、存分に楽しむことが出来た。やっぱり怪談の本当の怖さっていうのは、何かが起きているのにそれが何かがわからない。書かれている背後に何か得体のしれない物が控えている。的なものもあると思う。本書のようなスタイルはその語られない物というものを、嫌が応にも想像させる。前作でも感じたけど、これってやっぱり俳句や短歌と共通するものがあるなあ。恐ろしい俳句は多いように感じられるし。ただ一気読みするとダレてしまうので、ゆっくりと楽しむのがお勧め。2018/09/01
タイ子
73
一行怪談その<二>。こわっ!ン、どういうこと?なるほど~!むふっ!いろんな刺激を受けながら読みました。「電子レンジを使うたび、向こう側から扉を必死に叩かれて困る」「深夜ふと起きると、薄暗い台所でネズミとハエとゴキブリがしくしく泣きながら、あとちょっとでこの家も崩れちゃうねえ、と囁きあっていた」やっぱこわっ!2020/03/15
あたびー
43
97歳のお守りをしながら一行怪談を読んでいると、口を開けて寝ている97歳の喉の奥から一行怪談の音読が流れてきた。2023/07/31
シン
26
★★★☆☆ 前作同様当たり外れは大きいが、 気がつくとハマってしまっている。 変な話の発想にも驚かされるし、 怖くないのにゾッとする話が多いのが不思議。 「一にちいっぽんはをぬいて ニくいかたきに 三つからず 四あけに 五さえた~」 って十までいくのが妙にリズム感もよくて好き。2018/07/29