内容説明
※電子書籍版『atプラス28 (岸政彦 編集協力)』には山北輝裕「モクモク部屋で人生を聞く」は収録されておりません。
【特集】生活史 (岸政彦 編集協力)
岸政彦
特集によせて 人に会い、語りを聞く。そしてそこから、社会を考える
上間陽子
キャバ嬢になること
朴沙羅
生活史における「事実」のために
齋藤直子
一九年前の調査を読み直す
石岡丈昇
ボクサーと言葉
川端浩平
帰化と放射能汚染
岸政彦
タバコとココア――「人間に関する理論」のために
etc...
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろみ
4
こうしてまとめて読んでみると、岸さんの語りがいかに特別かがよく分かる。この世界にはフィールドワークが出来る人間と出来ない人間がいて、私は完全に後者なので出来るだけで尊敬しているのだけど。大澤聡さんの「Re:機能性文学論」も面白かったです。2016/05/12
ヨシオ・ペンギン
3
生活史調査の文体ってのは研究者によってかなり違いがあるものなんだなと。どれもよかったけど、上間陽子さん、石岡丈昇さんのところ、特によかったな。2022/01/02
Ñori
2
最後に社会学者というものがその時々の人々の選択における合理性の「報告者」としての役割を担っていることが提示されている。しかし、事後報告を超えた役割が我々には担えないのだろうか。経験の蓄積が足早に忘却される昨今において、記憶を記録に留めることに意義があることには間違いない。だが、学者には次の一歩はないのか。答えは簡単に出ない。2019/01/27
JunTHR
2
特集「生活史」のみ。論文ではなく、エッセイ的に書かれる様々な生活史インタビューが、とんでもない豊かさで面白くてたまらん。初っ端の「キャバ嬢になる」が特に好きだった。 読み進めながら、素人からするとどうしても湧いてしまう「これがどう学問になるの?」という疑問に柔らかい言葉でしっかりと応える最後の岸政彦による寄稿も素晴らしい。そこで挙げられる例「ココア」には、掴まれた。ぐっと掴まれた。2016/05/27
アナクマ
1
特集は「生活史」。一個人の経験談、人生の語りをとにかく聴き、記述する社会学の技法。7つの事例。目的は、人間に対する理解を深めるため。あたりまえのことですが、世界を理解する方法は、統計処理が可能な類いの科学だけではないわけで。さらに知り、取り込んでみたい分野。2016/11/05