出版社内容情報
彩加の任された取手店が閉店を告げられる? 一方、伸光は担当作品のアニメ化の話が舞い込み……。書店を舞台としたお仕事小説第六弾。
内容説明
彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり…。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。文庫書き下ろし。
著者等紹介
碧野圭[アオノケイ]
愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年、『辞めない理由』で作家デビュー。夏の文庫フェア「ナツヨム2012」で、『書店ガール』が1位に。2014年、『書店ガール3』で静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」大賞受賞。また、小金井市を中心とした地域雑誌「き・まま」の編集にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
377
今回は書店の内幕というより、小説のアニメ化に関するアレコレがメイン。書店ガールではなく編集マンが目立つ。前作といい今作といい、少し枠を広げて何でもアリなくらいの方が面白くなってくる。それにしても、書店の閉店がこれだけ頻繁に描かれるのを見ると、業界にネガティブなイメージを嫌でも持ってしまう。そういうのを吹き飛ばしてくれるような話を期待しているのに、だんだん作風が現実に足を掴んで引っ張られているようなものになってきている気がする。彩加の恋愛絡みの話もイマイチ盛り上がらない。2020/03/08
Yunemo
310
何気なく利用している書店、大書店から本作品のようなエキナカ店、様々な苦悩が浮かび上がってきます。まだまだ書店を利用している自身ですが、内部事情までは到底窺い知れません。特に、閉店に向けて働く意欲の難しさ。新しい価値観で出発する意欲の新鮮さ。それぞれの想いに、自身の想いが重なり合って共感の意。本というのは、その中の言葉というのは自身に必要なメッセージを導くための触媒。何だか胸にストンと落ちます。実は、女性のお仕事小説的な3作品、同時並行だったのですが、職業、時代は違ってもそれぞれに特徴的な機微に触れる作品。2017/09/10
れみ
298
今回は前の巻から引き続き取手の駅ナカ書店の店長・彩加とラノベレーベルの編集長・伸光が主人公。取手店がすごく充実してたのに閉店なんて残念すぎる。しかも大切な部下たちにそれを隠し気づかれないよう閉店への準備をしなきゃいけないとか…ほんと辛い。伸光も担当してきた作品のアニメ化などメディアミックスに関するたくさんのトラブルが重なって大変なことに。どちらも部下との関係が描かれていて彩加も伸光も目の前の仕事に一生懸命だから苦しい時に部下に助けてもらえるんだろうな。彩加がこれから進む道も描かれていくのかな?2017/08/06
hiro
253
この第6弾も彩加店長と、亜紀の夫の伸光編集長が主人公。会社の方針で店を閉店することになった彩加、担当作品がアニメ化されることになったがそこでのトラブルを抱える伸光と、今回もこの二人には悩みがつきない。このシリーズで取りげられることは、実際に起こっているのだろうとが思ってしまうが、今回は特に読者として小説のアニメ化や映像化について興味があったので、残りの半分は深夜にも関わらず一気に読んでしまった。ただ残念なのは、亜紀はまだしも、理子にいたってはカメオ出演で終わったのが寂しい。もちろん第7弾を期待します。2017/08/17
おしゃべりメガネ
240
気がつけばシリーズ第6作となり、スラスラとストレスなく読める作風は相変わらずで、手に汗握るワケでもなく、イッキ読みできるのは本作の本当に強く不思議な魅力です。要所要所にジンワリと涙する場面があり、本が繋ぎ、紡いでいく関係って本当に素晴らしいなぁと改めて感じました。本作で印象的なセリフがあり『部下に任せられないってことは、部下を信じていない。上司に信じてもらえない部下は哀しい。』と。かなりココロに響き、まさしく今の自分が日々、思い悩んでいるストライクなことでした。自分の考え方に変化が必要と教えてくれました。2017/11/03