出版社内容情報
夫からのお金が滞り、梨津子は娘にフィギュアを続けさせることが困難に。そして全日本選手権を迎えた母娘は……。感動のクライマックス。
【著者紹介】
作家
内容説明
コーチの美涛先生が日本を離れることを知った梨津子は、小織の可能性をさらに引き出してくれる指導者を求めてクラブを移ったが、指導方針の違いに戸惑いを隠せない。そんな中、怪我のため、小織がトリプルジャンプも跳べなくなってしまう。元夫からの養育費の支払いも再開せず、経済的に追いこまれるも、フィギュアスケートにすべてを懸ける梨津子。葛藤を乗り越えていく母と娘の絆に、感涙必至の力作長編。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』でデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
72
フィギュアスケートの世界でトップを目指す母娘の物語。名コーチとの出会いにより、選手以上に成長して変わっていく母親から目が離せなかった。娘の才能を伸ばすためなら何だってする母親の行動力に感嘆しきり。とにかくブレないし、叱咤激励上手で叱り方も潔くて気持ちがいい。これほど時間と労力と大金をつぎ込んだら、何がなんでも結果が欲しいと最初は思ったが、二人三脚で挑んだ真剣勝負の行方をドキドキハラハラ見守り、結果だけでなく得られたものの大きさに素直に感動。コーチの言葉に最後すべて救われる。読後は爽快!面白かった!2018/08/07
ワレモコウ
63
下巻。とにかくすごい世界だな…という感想と、小織の成長録ではなく利津子の成長録だったということ。上巻では、コーチと母たちの想像を絶する関係性についていけなかったが、段々と応援している自分がいる。引き際がとても潔くてスッキリした。これも、母娘で全てを出し切ったからこそなのだろう。それにしても、雫井さんは、幅の広い作家さんだなと思った。2021/08/16
はつばあば
35
やはり母は子供の為になら進化できると物語ってくれました。子供にとってイタイ親、煩わしい親とみえるかもしれません。以前私も娘から「これ読み」と渡された本に(題名忘れました(;O;))ショックを隠しきれませんでした。それ以来一歩引くようになりました。今年も爺様と猫と優雅に年始を過ごそうと思っているのに、年末年始に一家総出で帰ってくるから例年のようなお節は要らんと。親を越した娘には逆らえません。コーチの美濤先生のようなタイプの私だし、そっと爺様の好物の「棒だら」を炊いておきましょう2014/11/19
きっしぃ
33
母と娘の物語というよりかは、母の成長物語だったんですね。最初に結果が見えてるので、あまりドキドキすることもなく…。なんだか、母も娘もキャラクターが苦手だったので、感動できずに読了。それでも、フィギュアスケートにはそんなにお金がかかるんだー、華やかな氷上舞台の裏では血の滲む努力があるのか、とか考えるとこれから見る目が変わりそうです。2018/10/20
ましゅう
29
思い出すリンク観戦の緊張感。全日本フィギュアの小織の滑りにハラハラさせられました。ただのスケートの話に留まらず、小織のお母さん、希和ちゃんのお母さん、娘を支える母親の成長の物語でもある。梨津子は、まるで余命宣告を受けたかのような中で最善を尽くして生きる、そんな印象を受けました。希和ちゃんって真央ちゃんがモデルなのかな、重なる要素が多いです。この本を読むと時間を無駄にできないと行動が正されます。時に複雑な母親と娘の距離の取り方。ここまで子供のために尽くし強くなれる母親という存在の偉大さが伝わってきました。2017/01/05
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