出版社内容情報
様々な職業の老若男女がつつましく暮らす「本所おけら長屋」が舞台の笑いと涙の連作時代小説。思わず引き込まれる人情物語の傑作。
【著者紹介】
作家、コラムニスト
内容説明
本所亀沢町にある「おけら長屋」は騒動の宝庫だ。大家の徳兵衛、米屋奉公人の万造、左官の八五郎、後家女のお染―ひと癖ある住人が入り乱れて、毎日がお祭り騒ぎ。そんなおけら長屋に、わけあり浪人の島田鉄斎がやってきて…。貧しいくせにお節介、そそっかしいけど情に厚い。そんな庶民が織りなす、江戸落語さながらの笑いと情緒にあふれる連作時代小説。文庫書き下ろし。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。2012年『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー。日本文芸家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
277
とんでもないシリーズに手を出してしまった。噂に違わぬ面白さ。章によっては、強引というか雑な終わり方もあるけど、全体を通して面白いし、おけら長屋の人達が何をしでかすか楽しみ。今後、おけら長屋の住宅の出入りもありそうな気もする。登場人物も個性豊かな面々。よく近所づきあいできるなあ。江戸の人情ここにあり。そんなわけで、笑いあり涙?ありの“江戸のホームドラマ”。読むとドタバタ劇が、日頃の疲れを笑顔に変えて、明日の活力になりそうなシリーズ。どんどん次へ次へと読み進めたいと思います。2021/07/05
しんたろー
213
読友さん達が楽しみに読んでいるシリーズなので、畠山健二さん初読み。これは楽しい♬ちゃきちゃきの江戸弁で進む人情噺は、幼い頃に聴いていた江戸っ子の祖父と母の会話を思い出す。長屋住まいの人々の喜怒哀楽が7話収録されていて、どの話も堅苦しさはなくて笑ったりホロッとできるのが嬉しい。衣食住や風俗など江戸文化も読み易く触れていて、情景が目に浮かぶのも楽しい。「落語を小説にしたら、こんな感じになるのかな」と思え、レギュラー陣の関係性が深まって彼らが成長してゆく期待が持てるので、他作品の合間にゆっくり楽しんでいきたい♬2019/12/05
猿吉君
212
とてもリズムよく読めてしまう長屋のドタバタ劇1作目、笑ったりほろりと来たりで読後が爽やか、万人にお奨め出来ます。①陰の主役の鉄斎さんが素敵すぎます、幸せになってもらいたいというか今が幸せなのかな。②半丁博打の回が一番面白かったです。③男性陣より女性陣の方が明らかにしっかりしていてそこがリアル(笑)④貨幣はネットで見ると1両約13万円、1両は4000文で1文は32.5円ぐらい、そば一杯は16文(520円)のようです。点数80/100→電車で読むのにベストな1話の長さ、全巻楽しませていただきます(^u^)2021/03/10
やま
209
【記録】 本所おけら長屋シリーズの1作目。 2013.07発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。残念です。 読友さんのレビューを見て図書館に予約するが、字が小さくて読めず返却する。 畠山健二さんの本を見るのは始めて。 ※【記録】の説明は、自己紹介欄に書いて有ります。 ※なお、「本所おけら長屋」の1作目は、字が小さくて読めませんでしたが。6作目からは、「字の大きさが…小」でした。今後、図書館が開いたら読んで行こうと思っています。2020/04/10
のり
166
おけら長屋に住む面々の個性が強烈過ぎる。米屋奉公人の万造と、酒屋奉公人の松吉の凸凹コンビをはじめ、元剣術指南役で、訳ありで浪人になった鉄斎が難儀のまとめ役に。江戸っ子らしい気質が周りを巻き込んでの騒動になるが、思いあってこそ。貧乏長屋だが、情はとにかく篤く、そして笑えるドタバタ劇。お互いを支えあう姿は微笑ましい。2018/10/13