死線を越えて (復刻版)

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  • サイズ B6判/ページ数 463p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569708010
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

賀川豊彦の前半生を投影した自伝的小説。

賀川豊彦が神戸のスラム街で貧しい人達とともに過ごした経験をもとに描かれた大作。2009年はスラムに移住してから百年を迎える年。

神戸の貧民街に住みつつ伝道と救貧活動を展開した賀川豊彦。国内では生活協同組合運動をはじめ、さまざまな社会改革運動の先駆者として活躍した賀川だが、平和運動など国際的な活動の評価も高く、1955年と59年にはノーベル平和賞候補にも推薦されている。

▼『死線を越えて』はそんな賀川の前半生を投影した自伝的な小説。1920年に出版され、大正期最大のベストセラーになった。上中下の三巻仕立てになっていたが、上巻だけでも200版を重ね、ほぼ100万部が売れたといわれる。

▼昨年は小林多喜二の『蟹工船』の復刻がブームとなったが、『蟹工船』が発表される9年前に『死線を越えて』はすでに世に出ていた。当時の社会状況と今日の日本の姿が重なって映るのではないか。

▼2009年は、賀川が神戸のスラム街に移住してから100年を迎え、「献身100年」の記念事業が東京や神戸、幼少時代を過ごした徳島などで予定されている。

内容説明

生涯にわたって社会的弱者の側に立ち、「友愛、互助、平和」を国内外で説きながら、わき目もふらずに活動した稀有の人物である著者が描いた、スラム街における愛と献身の物語。大正時代の大ベストセラーがいま甦る。

著者等紹介

賀川豊彦[カガワトヨヒコ]
1888~1960年。徳島中学、明治学院を経て神戸神学校卒。神戸の貧民街に住みつつ伝道と救貧活動を展開。プリンストン大学などで勉学ののち、労働運動、農民運動、普選運動など社会改革運動の先駆者として活躍した。1921年、大阪で購買組合共益社を、翌年には神戸消費組合および灘購買組合(合併により、コープこうべ)を設立、戦後には日本生活協同組合連合会の初代会長となる。世界連邦運動の開拓者的リーダーとして平和運動でも活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゃんたか

15
栄一が発狂しているのか、地球が発狂しているのか。父に代表される資本主義、軍国主義的パラノイアを見限った新見栄一は、世の富を捨てて貧民窟改良運動に身を投じる。襤褸は纏えど心は錦。立ちはだかる貧民らの暴力、恐喝、淫売、疫病、酒乱、殺人に揉まれながら、生死を賭けた貧民への施しは続く。血と涙の果てに至った「尊敬に値しないものは救う必要が無い」との自覚から、栄一は乞食、淫売婦、あらゆる人間の実在が無条件に尊敬されなければならないことを悟る。若き賀川豊彦のあまりに人間的な煩悶苦闘に、神の恵みは満たされてやまない。2016/09/02

きらり

4
コープ神戸を設立した事で有名な賀川豊彦さんの半生を書いた小説文章の言い回しが難しく、特長があり読みにくくて何回も挫折しそうになったが、読み進めていくうちに、聖人君子を求めながらも、葛藤し苦悩する作者の気持ちが伝わってきた。後半は、スラム街で、生活を共にしながら、キリスト教を伝え、慈愛の聖心を持って接する作者の覚悟を持った姿勢に感動。2014/09/01

nekopunch

4
貧民窟に入り、キリスト教の伝道と人々の救済に力を尽くした賀川豊彦の半生が描かれた自伝的小説。主人公・新見栄一は、聖人君子というより一人の人間として葛藤しており、共感しつつ読むことができた。2011/03/15

はまい

1
中盤、栄一が貧民窟で生活を始めてから一気に面白くなった。自分のお金も持ち物も投げ打って貧しい人々に寄り添うのはなかなか出来る事では無い。自伝という事で美化も激しい気がするが、この本が当時のベストセラーになったそうだが、結果、社会は良い方向に変わったのだろうか。死にたいと悶々としていた主人公が突然、全てのものを肯定して生きる事になった!とあったが、その辺もう少し詳しく知りたかった。2018/09/09

mcpekmaeda

1
想像していたよりは随分と世俗的な内容でした。2017/09/06

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