出版社内容情報
賀川豊彦の前半生を投影した自伝的小説。
賀川豊彦が神戸のスラム街で貧しい人達とともに過ごした経験をもとに描かれた大作。2009年はスラムに移住してから百年を迎える年。
神戸の貧民街に住みつつ伝道と救貧活動を展開した賀川豊彦。国内では生活協同組合運動をはじめ、さまざまな社会改革運動の先駆者として活躍した賀川だが、平和運動など国際的な活動の評価も高く、1955年と59年にはノーベル平和賞候補にも推薦されている。
▼『死線を越えて』はそんな賀川の前半生を投影した自伝的な小説。1920年に出版され、大正期最大のベストセラーになった。上中下の三巻仕立てになっていたが、上巻だけでも200版を重ね、ほぼ100万部が売れたといわれる。
▼昨年は小林多喜二の『蟹工船』の復刻がブームとなったが、『蟹工船』が発表される9年前に『死線を越えて』はすでに世に出ていた。当時の社会状況と今日の日本の姿が重なって映るのではないか。
▼2009年は、賀川が神戸のスラム街に移住してから100年を迎え、「献身100年」の記念事業が東京や神戸、幼少時代を過ごした徳島などで予定されている。
内容説明
生涯にわたって社会的弱者の側に立ち、「友愛、互助、平和」を国内外で説きながら、わき目もふらずに活動した稀有の人物である著者が描いた、スラム街における愛と献身の物語。大正時代の大ベストセラーがいま甦る。
著者等紹介
賀川豊彦[カガワトヨヒコ]
1888~1960年。徳島中学、明治学院を経て神戸神学校卒。神戸の貧民街に住みつつ伝道と救貧活動を展開。プリンストン大学などで勉学ののち、労働運動、農民運動、普選運動など社会改革運動の先駆者として活躍した。1921年、大阪で購買組合共益社を、翌年には神戸消費組合および灘購買組合(合併により、コープこうべ)を設立、戦後には日本生活協同組合連合会の初代会長となる。世界連邦運動の開拓者的リーダーとして平和運動でも活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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