出版社内容情報
●内容
本書は,“高校生の考える力を養い,そして大学の数学にも自然に結びつく数学参考書はないものか”,そんなことを考えて書き始められた。その目的のために,中心課題を数学の基礎に関する論理とその構造に置き,論理を大切にして高校数学の全体を統一的に議論し,その全体像がわかるような書き方に努めている。新たな対象や概念を直感的に納得しやすくするためのイメージ作りも念入りに行い,意識を高めるようにしてある。さらに,楽しく読み進められるように工夫をした。その一つは,参考書のような書き方ではなく,物語風の書き方にしたことである。読者はこの書と会話をしながら読み進み,その間に練習問題もさせられる。もう一つは数学の歴史の記述に力を入れたことである。例題や応用にとり上げる問題は,できるだけ意味があるもの,それも歴史的意味があるものを採用している。本書は,大学的発想で高校数学を見直し,大学1年次の講義に直結するものとなり,計らずも高校数学と大学数学の断絶を埋める役割を果たすものとなった。高校生や受験生だけでなく,大学にめでたく入学したのはよいが,大学の講義に接してカルチャーショックを受けている大学生にも大いに役立つはずである。また,この書は自己完結する形で書かれているので,それこそ‘通分の知識’があれば他の参考書なしで読み進められる。数学の面白さは,大袈裟にいうと‘思考によって宇宙を組み立てるような感覚’に浸れる充実感だろうか。高校時代の数学は受験勉強だけだったけれど本当は数学が好きだった社会人の皆さんも,単に問題を解くだけの数学から解放された今,本当の数学を楽しんでみてほしい。
●目次
第1章 数
第2章 方程式
第3章 関数とグラフ
第4章 三角関数
第5章 平面図形とその方程式
第6章 指数関数・対数関数
第7章 平面ベクトル
第8章 空間ベクトル
第9章 行列と線形変換
第10章 複素数
第11章 数列
第12章 微分-基礎編
第13章 微分-発展編
第14章 積分
第15章 確率・統計
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
Code
ちくわん
toiwata