夜間飛行

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569705392
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

希代の名編『夜間飛行』、待望の新訳。

郵便飛行事業の草創期、過酷な夜への飛行に挑み続ける路線開拓者の苦悩と希望を描いた、サン・テグジュペリの名作が新訳で登場。

「彼らは幸福だ。なぜなら彼らは自分のしていることを愛しているからだ。そして彼らがそれを愛するのは、ぼくが厳格だからだ」

▼郵便飛行事業の草創期に、ただ一人、揺るぎない信念をもって、夜に向けて飛行機を放つ社長のリヴィエール。その信念は、たとえ若きパイロットたちが夜の底へと沈んでいってしまっても、決して曲げられたりしない。

▼ランプに照らされた食卓、あたたかい寝床、美しく心優しい妻。それら全てを後にして、兵士が戦いに赴くように夜の空へと飛び立ってゆくパイロットのファビアン。

▼穏やかな日々のなか、幸せに生き続けられるはずを、一体、何のために、彼らは孤独で過酷な戦いにその身を投じるのか。

▼全てに優先される「行動」とは何なのか。

▼誰も行かない道を切り開いていく男の苦悩と希望を描いた、サン=テグジュペリの名作が、新訳で登場。

内容説明

郵便飛行事業の草創期、夜間の運航は常に危険をはらんだ命がけの任務であった。己の全てを賭け、夜間飛行の指揮を執る厳格な社長のリヴィエール。そして嵐の中、ただ一つの光を求めて死闘を続けるパイロットのファビアン。夜に戦いを挑み続ける男たちの一夜を追った、苦悩と希望の物語。

著者等紹介

片木智年[カタギトモトシ]
高知県生まれ。慶應義塾大学文学部教授。専攻は、フランス古典文学、おとぎ話論。パリ第三大学博士課程1989年修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キジネコ

45
飛行機乗りと通信士から永遠の帰還地の灯を奪う嵐、雲の上の星空の静寂と降下を阻む雷鳴、翼を叩く風雨の対比、昏い空に消息を絶った男達を思う事業者の懊悩と使命感、明日の運命を既視する地上の同僚の暗澹、無事な帰還だけを望む妻の焦慮、言葉が喚起する圧倒的なイメージに文学の高山嶺々、頂点の一つを見る思いが致します。堀口大學訳、山崎庸一郎訳も読んでみたくなりました。死と引き換えに自分の星に戻る王子を描いた作家、実際の消息不明と夜間飛行の符合。この人は死の向こう側に何を見ていたのでしょうか… 美しくて悲しくて切ない。 2016/08/23

布遊

43
星の王子さまが好きなので、読んでみた。100年も前、郵便飛行のパイロットとして、嵐の中の夜間飛行のお話。自然のきれいな描写と、嵐の中の命がけのフライトの鬼気迫るものが交互にやってくる。社長や妻の思いも。サンテグジュペリ自身、パイロットと小説家ってすごい!2021/01/11

detu

40
初読みサン=テグジュペリ。内容は一切知らずそのタイトルから夜の空を優雅に飛行するようなイメージを持っていましたが、全くの逆で,新規航空事業を確立させようと言う、冷徹横暴(?)航空会社社長と無謀とも言えるフライトに挑むパイロットの物語が叙情詩のような表現で綴られている。夜間航空事業黎明期の物語。それにしても現代感覚で読むと頭おかしいんじゃない?などと思えるストーリー。ただ訳者の表現は癖になったし、別の訳も読んでみたい。また、星の王子様も。図書館本。2017/02/13

miwmiw

16
サン=テグジュペリの書いた郵便飛行事業の話。サン=テグジュペリはテストパイロットだったから、面白いかなー?と思って読んだけど、訳が読みづらい。社長のリヴィエールと嵐の中飛ぶパイロットのファビアン、設定は好きなんだけどな、違う訳はどうなんだろう。装丁は好きです。2012/12/23

ブラフ

11
【図書館】自身も飛行士であったサン=テグジュペリによる、草創期の郵便飛行事業の物語。とは言え、抽象的表現が多くて分かりにくい^^; 「星の王子さま」を読んだ時に、サン=テグジュペリが飛行士であったことを知り、この「夜間飛行」という作品を知った。彼が見ていた世界がどんなものだったのか興味があったのだけど、なかなか読み解くのが難しい。しかし、常に死と隣り合わせでありつつも、その中に美しい景色を見ていたのだろうか…読み解くというよりは、彼の見ていた世界を垣間見る、そんな作品だろうか。2018/02/13

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