内容説明
宇佐八幡の託宣を持ち帰った和気清麻呂によって、皇位を狙った道鏡の野望は阻止された。道鏡を寵愛した称徳女帝も重病に臥し、この機に乗じて藤原一族が復権をかけて動き始める。奈良朝に、陸奥に、真の平和は来ないのか?権力をめぐる新たな野望と暗闘に、道嶋嶋足、物部天鈴ら蝦夷たちは…。「立志篇」「大望篇」「天命篇」と書き継がれた著者会心の歴史大河ロマン第四弾、待望の文庫化。
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22年(1947)、岩手県生まれ。早稲田大学卒。昭和58年、『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞し、文壇デビュー。昭和61年に『総門谷』で吉川英治文学新人賞、昭和62年に『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、平成4年に『緋い記憶』で直木賞、平成12年に『火怨』で吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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財布にジャック
59
なんだか騙しあいも4冊目となると、中弛みもあり、正直ちょっとウンザリして来ました。しかし、後半に遂に田村麻呂やアテルイが登場してくれて、あの名作の「火怨」へと繋がるエピソードが読めたので、小躍りしてしまいました。遂に次の最終巻で、二人三脚で走り続けてきた嶋足と天鈴の名コンビはどんなゴールを切るのか、ゴール前で私もアテルイと一緒にドキドキしながら待っていたいような気がします。2012/10/22
gonta19
55
2010/10/16 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2014/5/31〜6/5 道鏡失脚後の時代が描かれる。またぞろ勢力を取り戻す藤原氏。嶋足、天鈴らの戦いはモグラ叩きの様相に。称徳帝が崩御し、次の勢力争いが活発に。物語は蝦夷側にシフトしつつ、いよいよ最終巻。2014/06/05
kawa
30
称徳天皇の死を巡り蝦夷の嶋足や天鈴、苅田麻呂対道鏡一派の争いは風雲急を告げる。著者らしい息もつかさせぬ展開のなか、道鏡後の世と蝦夷はどうなるか、最終章の第五巻へ。2020/07/15
あらいぐま
29
風の陣の4巻目。内裏の権力闘争に終わりは見えないが、相変わらず天鈴無双が続く。思えば奈良時代はまだ藤原氏の力も確立していなく、天皇を中心としたこういう権力闘争の繰り返しだったことがわかる。日本史の中ではパッとしない時代だが、ここまで面白く書ける著者の凄さにあらためて脱帽。そしていよいよ最終巻。嶋足と天鈴の行く末が気になる。2021/03/28
にゃこ
20
この忙しいときにやめられなくて読んでしまった。 田村麻呂と阿弖流為の出会い。火炎でも印象的なシーンとして振り返られてたけど、なんか苅田麻呂という人を知っているだけになんだか嬉しい。陸奥はやっぱり穏やかな時間の流れるのが一番。雄大な自然に囲まれてのびのびしたい。 次巻完結。鮮麻呂や嶋足の運命については火炎でちょっと触れられてた記憶がぼんやり。そんなでつづきを読むのが辛いけど気になる・・・。2016/10/10