出版社内容情報
料理名の由来を、独創的な見地から探った本。
料理名の由来を知れば、一番いい素材や料理法が何か、見えてくる。達人が教える料理の発生から変遷、そして実際に生きた料理の作り方。
一時のグルメブームの頃ほどではないにしても、テレビや雑誌では、「どこの店の何が美味い」といった、料理店や料理を紹介する番組や特集が、相変わらず組まれている。最近では、さらに調理の際の決め事であるとか、料理を食する際の仕来りなど、細部にまで興味が広がっているようだ。
▼本書の著者である志の島忠氏は、京都の料理屋「岡本」の七代目。志の島氏の祖父が亡くなり、店は閉めたが、祖父から素材の選び方、包丁の扱い方などについて厳しく仕込まれた。と同時に、「こんなことは料理人は知らんでもええこと」と言われつつ、料理の故事来歴について多くの話を聞いてきた。
▼同じ「叩き」という料理名でも、鰹と鰺と鯨では、叩き方も叩く目的も違う。こうした日本料理の名称に隠された蘊蓄は、料理人だからこそ知っていることだ。
▼本書では、そんな話題を志の島氏が語り、料理研究家でもある編集者・浪川寛治氏がまとめた、読んで美味しい料理本である。
●赤出し
●揚げ出し
●浅茅
●阿茶羅漬
●洗い
●あら煮
●有馬
●淡雪
●家盛り
●筏 他
内容説明
テレビの旅番組では、その土地々々の名物料理が必ずと言ってよいほど紹介される。日本人の料理に対する関心は、高まる一方だ。その対象は、素材に始まり調理法にいたるまで様々だが、料理名に関する蘊蓄も興味深い。本書は、京都の料理屋の七代目が、祖父から聞いた料理の故事来歴を語ったもの。巧みな纏め手の手により、まさに「読んで美味しい本」である。
目次
赤出し
揚げ出し
浅茅
阿茶羅漬
洗い
あら煮
有馬
淡雪
家盛り
筏〔ほか〕
著者等紹介
志の島忠[シノジマチュウ]
1931年京都の料理屋「岡本」の七代目として生まれる。祖父没後料理屋を廃業。東京芸術大学で日本画を学び、一時、歌舞伎の舞台美術に携わるが、1965年頃より料理の道に戻る。また、作陶を始め、高島屋で個展を開催。地方講演などにも意欲的に取り組んだ。東京中野に「志の島忠日本料理研究所」目黒に「懐石料亭料理研究所」を主宰し、研究および後進の指導に当たった。2001年7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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