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イネの文明―人類はいつ稲を手にしたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569629803
  • NDC分類 616.2
  • Cコード C0245

出版社内容情報

イネはいかに進化し、文明を発達させたかを探る。

人類はイネをいかに進化させ、栽培可能にしたか。野生イネが栽培イネとなる過程をDNAから分析し、文明の発達との関わりを解明する。

メソポタミア、エジプトをはじめ、文明を支えた食料はコムギやオオムギであり、イネは欧米の文明史観から排除されてきた。だが、貯蓄性と栄養のバランスに優れているイネ(米)こそ、人類史の主役といえないだろうか。

▼稲をもつ民族は世界の五大陸すべてに分布し、稲が受け入れられた時期は紀元前にさかのぼる。稲はどの穀類よりも古くから地球をめぐり、人とともに歴史を刻んできたと言える。その栽培の仕方や食べ方、さらには儀礼や祭祀の方法をめぐって、稲は人の生活と深く結びつき、そして稲作という作業は、社会の組織化と車の両輪のように補い合いながら進化していったのだ。

▼本書では、生物としてのイネの特質、主に野生イネの遺伝学的な研究成果を報告。インディカ、ジャポニカという二つの母系の存在はいかに確認されたか? また、さらに深まる起源の謎とは?

▼長江に端を発する文明との関わりを追い、「稲の文明」という新しい歴史観を提示する。

[第1部]イネとは何か 
●第1章 文明史から排除されたイネ 
●第2章 イネの登場 
●第3章 イネの直接の祖先たち 
●第4章 人類、稲を手にする 
[第2部]稲と文明 
●第5章 稲の栽培化はどこでどう起きたか 
●第6章 中国文明と穀類 
●第7章 長江文明と稲 
●第8章 インディカの起源と栽培化の歴史 
[第3部]インディカとジャポニカ 
●第9章 一元説から二元説へ 
●第10章 野生イネを採りに 
●終章 もうひとつの二元説

内容説明

本書では、生物としてのイネの特質、主に野生イネの遺伝学的な研究成果を報告。インディカ、ジャポニカという二つの母系の存在はいかに確認されたか?また、さらに深まる起源の謎とは?長江に端を発する文明との関わりを追い、「稲の文明」という新しい歴史観を提示する。

目次

第1部 イネとは何か(文明史から排除されたイネ;イネの登場;イネの直接の祖先たち;人類、稲を手にする)
第2部 稲と文明(稲の栽培化はどこでどう起きたか;中国文明と穀類;長江文明と稲;インディカの起源と栽培化の歴史)
第3部 インディカとジャポニカ(一元説から二元説へ;野生イネを採りに)
もうひとつの二元説

著者等紹介

佐藤洋一郎[サトウヨウイチロウ]
1952年和歌山県生まれ。1977年京都大学農学部卒業。1979年同大学大学院農学研究科修士課程修了。農学博士。国立遺伝学研究所助手を経て、94年より静岡大学農学部助教授。植物遺伝学の立場から稲の起源の研究を進め、1992年に「アッサム・雲南起源説」と稲の祖先の一元論を否定して、ジャポニカだけが長江中・下流域で生まれたという「ジャポニカ長江起源説」を発表した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

48
DNA考古学が古代史の常識をいかに書き換えるかの実例の現在進行形の報告。興奮した。世界四大文明は全て小麦というのが世界史の常識。米はマイナーなんだと子どものころ残念に思った記憶がある。20年ほど前に黄河文明の前に長江文明(揚子江)があったことが発掘により判明。これだけだと所詮中国の話。しかしそこに最古のイネが発見される。著者はここから、そのイネがジャポニカ(日本の米。これとインディカ=長い粒の二種あると言われてきた)だったことをDNA分析で突き止めるが、その先、世界史の驚くべき書き換えを行うのである。2015/10/27

owlman

0
イネとともに歩み今日があるのに、汗や泥と無縁な奴が薄情なことを言う世の中。2015/07/22

Humbaba

0
稲は,非常に古い時代から我々の生活と共にあった.それは,五大陸全てに稲を持つ民族が存在することからも見て取れる.稲には,ジャポニカ米とインディカ米の二種類があるが,それは,我々が手を加える前,野生種の頃から存在していた.2011/03/06

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