出版社内容情報
リーダーの資質とは何か。勝てる組織とはいかなるものか。川中島合戦の両雄、信玄と謙信を近代戦史の視点で説いた画期的書。 武田信玄と上杉謙信がぶつかり合った戦国最高の大合戦、川中島合戦。本書は、『ノモンハンの夏』など昭和史研究で知られる著者が、近代戦史の視点を通して川中島合戦を分析。勝つための人間学を徹底的に追求する。▼著者は言う。「戦場にあって戦うのは、時代がいかに変ろうとも、人間である。いかに強大を誇る軍隊、あるいは組織であっても、所詮、それを動かすのは人間なのである。そこには人本来の過誤、油断、不手際、錯覚、逡巡などがつきまとう。特に彼我が厳しく競り合う戦いの場においては、錯誤の多いほうが敗者の悲運を背負わねばならないことは、いつの世も変りない。そうであるがゆえに、勝利者となるためには、人間の本質を知る必要がある」▼「人は城人は石垣」といったという信玄。毘沙門天と一体となることを願い、「ただ機に臨みて戦う」と記した謙信。人間とは何か、指導者とは何かを問う、今までにない、戦国合戦譚である。
内容説明
武田信玄と上杉謙信がぶつかり合った戦国最高の大合戦。今日の戦理に照らし合わせて分析しつつ、人間とは何か、指導者とは何かを問う。
目次
1 信玄派と謙信派
2 両雄の人間素描
3 前哨戦小競り合い
4 余談・王監督論
5 いよいよ決戦場へ
6 合戦前の虚々実々
7 全軍突撃セヨ
8 さらば両雄よ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
47
全8章において信玄VS謙信の川中島の戦いを考察した一冊。途中第4章目では、なぜか王監督論が余談として入り込んでくるところは半藤氏の著作らしい(本当か?笑)文中にある「戦争は推測の世界であり、条件の四分の三までが不確実である。知力をもって真相を見通すとともに、勇気と自信とをもって不確実を克服しなければならない」は名言だ。2012/03/28
ひこうきぐも
18
図書館で借りる。分析とあるのでドキュメントかと思いましたが、あとがきあるの様に歴史読み物。ドキュメントあり講談調ありで信玄謙信と共に川中島で戦っているように読ませるところはさすがでした。2013/12/13
Mr.deep
1
「川中島の戦いを史料ではなく講談や歴史小説の記述や伝説をもとに面白おかしく語っちゃおうって本」って言うとまた下んない読み捨て本を・・・ってなるんですが、この本が一線を画すのは著者が半藤一利なこと。明らかに史料というか最新学説まで把握して、その上で面白ければよかろうもんの精神でガン無視する根性に惚れます。2024/11/10
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