出版社内容情報
生き上手、死に上手、幸せ上手。川柳作家の新子が、最愛の夫と暮らす日々を描くエッセイ集。「二人で歩くちょいとそこまで地の果てまで」。 激しい恋をうたって一躍、川柳集初のベストセラーとなった『有夫恋』の後、川柳作家・時実新子氏は、静かで穏やかな生活を送っている。その間、神戸の大震災が起こり、最愛の旦那様は癌に冒され、手術を受けた。氏は粉骨砕身、仕事と看病に明け暮れた。 今日こそが一番、幸せ。やさしさこそが、人に必要なもの。神戸の経験と旦那様の癌は、氏の人生観を根底から変えたという。そして、時にはいらだちをもって憎んだ、繰り返す日常が、かけがえのない愛するものとなった。そんな氏が、その変化する心境を語ったものが本書。産経新聞に二年間に渡って連載をし、好評を博したエッセイ集。 各エッセイの後には一本ずつ、川柳が載っている。“二人で歩くちょいとそこまで地の果てまで”“手が好きでやがてすべてが好きになる”“流れつつ美しい日が稀にある” 人生は不思議な玉手箱。一寸先には何があるかわからない。愛する人を大事にしたくなる一書である。
目次
第1章 咲いたらあげる、あの人に
第2章 誰かに伝えて
第3章 死んで花実は咲かず
第4章 なんてったって男
第5章 人恋し
第6章 きっといいことあるはずだから
第7章 まもなく夜が明ける
第8章 やさしさの家