内容説明
赤坂城・千早城攻防で名高い南北朝期の知将・楠木正成。後醍醐天皇の鎌倉幕府討伐に参加し、理想の政治実現を計るが、天皇親政も理想とは程遠く、夢は無残に砕け散る。そして、負け戦と知りながら「節」を守って死地へ赴く。実子・正行との「桜井の別れ」―父子の熱き絆は、我々の心を揺さぶらずにはおかない。常に「誠実」を旨とした生き様、忠義の心、そして肉親や家臣への慈しみ溢れる正成の実像に迫る、著者渾身の歴史小説。
感想・レビュー
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如水
25
僕の地元では『楠公さん(ナンコウサン)』で通っている楠木正成。軍神ですね。翻るは菊水の旗。正成の鬼謀が冴え渡るっ!さて、どれくらい軍神なのか…は残念ながらこの小説では伝わらないかも😰ただ偉人である事には間違い無く、その偉人ぶりには伝わるの…かなぁ?誠実なのは良く分かりますが。どちらかと言うと鎌倉末期から南北朝初期争乱が良く分かる内容でした。しかし『建武の中興』がこんなに酷いモノだったとは😱後醍醐天皇、ヒド過ぎる。正成がもう少し我欲を持ってたら…と思うと残念で残念で。そして「へんぽん」て何だ?2019/02/22
BIN
2
稀代の知将にして尊王に厚い武将、楠木正成を描いた作品。寡兵でもって大軍を翻弄させるのは良いし、こういうのは個人的に好き。ただ基本的に判官贔屓でかつ足利尊氏が大嫌いな私としては、尊氏を高く評価する正成は嫌だ(太平記でそうなっているのかもしれませんが)。短いし、また楠木兄弟がそんなに出てきてないので、積極的にお勧めできる作品ではない。2013/03/10