内容説明
感染症と戦う北里と鴎外、その栄光と蹉跌!
民の命を守るため「医療の軍隊」を夢見た北里と鴎外は、なぜ道を違えて対立したか。医師でもある海堂尊が描くライバル物語!
明治時代のニッポンに、感染症との終わりなき闘いに挑んだ男たちがいた。「細菌学の父」北里柴三郎と、陸軍の軍医総監にして文豪の森鴎外。ふたりは同時期にドイツで学び、「感染症から国民の命を守る」という同じ目標に突き進んだ。それなのになぜ道を違え、対立したのか。誰も描かなかったライバル物語。解説・本郷和人
※この電子書籍は2022年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本とし、「作品相関図」などの電子版特典を付したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しのぶ
3
北里柴三郎と森鴎外。この2人を同時代人として意識したことがなかったので、興味津々……だったのだけど。歴史上の著名人が入れ代わり立ち代わり何度も出てきて、政治も医療も学問も、今も昔も狭い世界でまわってるんだなぁという実感とともに辟易し、鴎外の性格の悪さというか人間の小ささに拒絶反応。別に聖人君子でいて欲しいわけではないし、北里だって同じ穴の貉なわけだけど、保身のためならなんでもやるんだなぁこの人たち、というたいへん残念な気持ちしか残らなかったのが、とっても残念。2024/12/14
のりさん
1
肥後もっこすを体現したような豪快で実直な北里像と天才肌であるが繊細で皮肉屋の鴎外像という対極的な関係性がとても興味深かった。医師的な功績には北里に軍配が上がるが、文壇としての知名度を持ちつつも軍医の最高位を極めた鴎外の非凡さも改めて凄さを感じることができた。2024/11/12
北刻堂
0
森鴎外は何十年も前に「舞姫」を読んで、なんて自己中心的な奴なのだと思った記憶があるのだが、やはり自己中であった。で、鷗外と対峙して描かれている北里、そしてその周囲の登場人物がことごとく俺様キャラで鼻持ちならない連中ばかりである。明治のエリートって、皆こんな感じなのか? それでも、病気を防ぐことを目的に実験に邁進する北里はまだ研究者として実がある。一方で、他人の批判に明け暮れる鷗外の態度は痛いものがある。ところで、表紙の写真、北里が大きく前面に出て、鷗外は後ろの薄暗いところに佇んでいるけど、これって意図的?2025/08/07
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