内容説明
日本人は開国とともにやってきた英語と、どう向き合ってきたのか。アポロの月面着陸の生中継で同時通訳者としてテレビデビューし、NHKの英会話番組に長年出演する著者が、自らの来し方と先人たちの軌跡を辿り、戦後秘史を紐解く。進駐軍との交流から英語教育論争まで、英語との付き合いは日本現代史そのものだった! 第一人者による、体験的英語論の必読書。『戦後史の中の英語と私』改題。(解説・阿部公彦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
27
同時通訳がテーマ。同時通訳の成り立ち、著名な通訳のプロフィール、通訳に必要な資質、通訳が活躍した著名事件のエピソード、今後の英語教育といった幅広いテーマが、作者自身の幼少期からのエピソードも交えながら展開されている。全般的に読ませる工夫がされていて好感が持てる。同時通訳者でも幼少期から専門的教育を受けていないことがわかることはその道を目指す人には勇気になるのかもしれない。2021/07/20
さきん
26
著者のことは、英語の幼児教育の危険性を説くどこかの雑誌の記事から印象に残っていた。元同時通訳で、当時の話を本書で初めて細かく知った。戦後黎明期の同時通訳者は、米軍との果し合い、教え合いの中で成長していったようだ。アポロ実況を通して、同時通訳者は日の目を見るようになったそうだ。2021/07/22
bapaksejahtera
14
2013年の「戦後史の中の英語と私」に加筆出版された物とある。全体として戦後(同時)通訳史と言うより、同時通訳者、英語教育者としての自分史の色合いが強いので、単行本の書題の方が適切と感じた。但し本書冒頭では英語と形態の違う日本語との間では不可能と思われていた同時通訳が先人の手で成立していく歴史が、画期となった月面着陸時の通訳西山千やその後の村松増美や國弘正雄等からの聞書で描かれていて判り易い。又沖縄返還交渉時の「善処する」翻訳を巡る錯綜など時事的な話題もある。我が国英語教育へ評価や見解等首肯する所も多い。2022/11/05
kan
14
発する言葉にこだわり大切にし、自らlifelong learnerとして学び続ける鳥飼先生の生き方と英語学習の道のりに感服。首がもげるほど頷いた箇所が多くあった。外国語学習には強い動機付けが必要なこと、欧米のESL環境と日本のEFL環境は異なること、コミュニケーション重視の旗印による文法軽視の弊害は特にそうだ。楽に素早く外国語に習熟する魔法はない。ageismに関することもそう。私も40歳で大学院留学したが、年齢など誰からも聞かれなかった。英語・ジェンダー・教育の三本柱から成る読み応え十分な好著。2021/10/21
慧の本箱
11
鳥飼玖美子氏の著作はお初です。興味深く手にして特に第9章「言葉のこだわり」、大10章「思い込みからの脱却」は印象に残るものでした。そしてエピローグも・・・2022/03/06
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