内容説明
本書は、デジタル電子回路の機能、特性、限界などについて、その考え方、解析手法を詳しく解説した教科書である。まず、ブール代数の数学的基礎からはじめ、基本となる順序回路や論理回路について説明する。次いで、教育的に重要なバイポーラトランジスタと今日主流となっているMOSトランジスタについて、動作の概要とこれらを使ったデジタル回路を詳説する。最後に、計算機システムの主要な構成要素である記憶にかかわる回路を扱う。数式の導出、論理の展開は丁寧であり、初学者にとって無理なく読み進むことができる。デジタル電子回路の「今ある技術」を論じた本書は、電気・電子・情報を専攻する学生の教科書として、さらに回路・システム開発に携わる技術者にとっても有益な参考書である。
目次
1 デジタルシステム(ブール代数と組合せ回路;有限状態機械(有限オートマトン)と順序回路)
2 論理回路から電気・電子回路へ(論理と電気の対応関係;遅延時間と動作速度)
3 バイポーラトランジスタとデジタル回路(ダイオードとバイポーラトランジスタの基本動作;トランジスタ・トランジスタ論理(TTL)構成 ほか)
4 MOSトランジスタとデジタル回路(MOSトランジスタの電気特性;スイッチ、トランスミッションゲート ほか)
5 記憶に関わるデジタル回路(値保持の基本メカニズム;ラッチ、フリップフロップ ほか)
著者等紹介
金子峰雄[カネコミネオ]
1981年東京工業大学工学部電気電子工学科卒業。1986年東京工業大学大学院電気電子工学専攻修了(工学博士)。東京工業大学工学部助手。1992年東京工業大学工学部助教授。1996年北陸先端科学技術大学院大学助教授。2001年北陸先端科学技術大学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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