出版社内容情報
ホームレスたちに不可解なボランティアを行うグループがある。ある基準でホームレスを選んで施設に連れていき、寝食のほか健康診断まで行うのだ。しかしその裏には驚きべき計画があった。新鋭が描く社会派サスペンスミステリー!
内容説明
俺は妻を医療過誤で失い、すべてを捨てて新宿でホームレスとなっていた。ある日、ホームレスたちに寝食と健康診断を施すボランティアの口から、忘れることのない「妻を殺した」男の名を聞いた。男がいた製薬会社とボランティアに何のつながりがあるのか。俺はボランティア集団の真の目的を探るため、そしてあの男に復讐するため、決死の潜入を試みたのだが…。新鋭が描くサスペンスミステリー。
著者等紹介
植田文博[ウエダフミヒロ]
1975年熊本生まれ。2013年に『経眼窩式』で第6回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞、翌年同作刊行。『ミステリが読みたい!2015』(早川書房)で新人部門第3位入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナミのママ
53
妻を医療ミスで亡くしホームレスとなった男性。ボランティアの会話から「妻を殺した」男の名前を聞き…。犯人探しより、ホームレスのネットワーク話と、新薬開発ネタが面白かったです。でも本来のテーマは犯人探し?となると、全体的に物足りなく感じます。ホームレスの生活、もっと知りたかったです。新薬開発の治験がらみや、倫理的な話題も好きな話題。それだけにちょっと残念、決して面白くはないのだけどーー。2015/07/01
きさらぎ
47
「経眼窩式」がよかったので読んでみた。新宿・都庁付近のホームレスの話は興味深かったが、話が動き出すまでが長い!主人公の過去と謎に触れるまで1/3のページ数をかけている割に、新薬開発のトラブルや事件の背景など知りたい箇所が駆け足で消化不良。後半の医療の話は詳しすぎて理解できなかった。物語の配分がアンバランスな印象。2015/10/04
エリク
23
医薬品関係のミステリーです。 内容に深みがあって、めっちゃはまりました!w 叙述トリックとかもふんだんに使われていて、作者はもちろん頭使っただろうけど、読者にも考えさせる一品。非常に感慨深いストーリーと余韻の残る結末は忘れられないです(^_-)-☆2019/11/02
あー
15
最後の最後で、「誰だったっけ?」ってだいぶ前に戻った。誰かはわかったけど、後半のドキドキ感がしぼんでしまった。2020/01/03
マサキ@灯れ松明の火
14
妻を治験の失敗により喪った男…喪った女性(ヒト)の存在の大きさに気力をなくし、ホームレスになった。仲間を得て、束の間の安息。そこで彼は、妻の仇とも言える男の名を聞いた。彼に残された黒い埋火が燃え上がった。彼は、復讐の鬼となるのか?黒い炎は…すべてを焼き付くすのであろうか…?2015/09/06