出版社内容情報
『探偵スルース』+『熱海殺人事件』に鬼才が挑む!
「さて、この死体をどうする?」
切羽詰まった売れない作家と編集者による「禁じ手」に探偵を据えての推理合戦、すべては怒濤の結末のために!
名探偵メントのために!
内容説明
目前に横たわる女。それを見下ろす銅像のようなふたり。「さて、この死体をどうする?」「どうせなら本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にするべきでしょ!」切羽詰まった売れない作家と編集者による「禁じ手」に、彩りの探偵を据えての推理合戦、すべては怒涛の結末のために!名探偵メントのために!
著者等紹介
霞流一[カスミリュウイチ]
1959年岡山生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。映画会社に勤務しながら、94年に『おなじ墓のムジナ』で第14回横溝正史ミステリー大賞で佳作入選、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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yumiDON
29
いや~、面白かった、これ。愛人を殺してしまったミステリー作家が編集者にたきつけられて、「ミステリーらしい」現場を構築する出だし。会話がバカバカしく、ん?もしやバカミス!?と思っていると、ん?それとも倒叙もの!?とどんどん話が転がっていき翻弄される。どこを目指しているのか全く分からない。そんな台風に巻かれる木の葉のような状態で読了。ミステリー成分たっぷりでお腹いっぱいです。うん、これは喜劇だな。ブラックユーモアが苦手な方は手にとらない方がいいです。2015/08/30
geshi
23
著者からの本格ミステリに対する深い愛と全力のおちょくりが詰まった作品。単純な情動殺人を本格ミステリらしくさせようと飾り立て謎を作り上げる発端から、本格ミステリには欠くベかざる名探偵を生むための偽の手がかりを置いたはずが台本を越えた四者四様の多重解決へと転がり続け、第四幕に至るまで話の展開が読めない。そして最後に事件の本質の取り違いが明かされ、壮大な騙しが明らかになる所は開いた口が塞がらない。ミステリ好きってこんな奴らかよと自虐的に笑ってしまうネタ満載だった。2015/04/26
ベルガモット
16
以前は人気だったミステリ作家とその担当編集者。二人の会話から始まり、死体を前にして「本格ミステリ作家にふさわしい演出を」と繰り広げられるあれこれ。ビミョーな会話に苦笑、最後まで読み切れるか不安にもなりましたが、進むにつれ、まあ話が転がる転がる。一体どこ目指してるの!?となりました。この展開は予想できないでしょ。もう、うまく感想にできないじゃないですか。本格ミステリ大賞候補作、はい、確かにミステリ愛に溢れてると思います。2015/03/16
うえぴー
12
いやあ面白かった。殺人劇をモチーフにしたミステリですが、真相が二転三転、多重推理や読者の足元をすくうアクロバットが続々と出てきて、甘美なめまいを覚えるほど。特に最後の第4章に突入してからは「そこまでやるか!」と呆れつつ感動するほどの大技が炸裂。それまで冗長だと思っていた部分に無駄がなかったことが判明し、「さすが『スティームタイガーの死走』の著者だけあるなぁ」と感心しきり。ただの撲殺事件を「本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にすべきでしょ!」と発破をかけられ、見立て殺人の現場に作り変える様は爆笑でした。2015/02/28
ゆき
11
ポー・江戸川・横溝・ドイルを知ってるともっと楽しい本となるでしょう。古典の見立てを題材にして館舞台に殺人劇を展開する。内容はヘビーなのに何故かコメディー長でさくさく読めちゃう。死んだ!と思ってたら生きてた!!!生きてる!と思ってたら死んでた!っていうコミカルさ。2015/10/04
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