出版社内容情報
神秘的な長い牙を持つクジラ、イッカクに魅了されたネイチャーライターが現地取材も重ねて書いた科学ノンフィクション。
その生態、イッカクが住む北極圏やイヌイットについて、地球温暖化の影響等、多角的に描いた初めての本。
内容説明
神秘的な長い牙を持つ極北のクジラ、イッカクに魅了されたネイチャーライターが現地取材を重ねて書いた科学ノンフィクション。牙の秘密、謎に包まれた生態、イヌイットの捕鯨文化、地球温暖化と乱獲の影響等、多くの側面からイッカクに迫った初めての本。
目次
目の見えない少年と水潜り鳥
出会い
イッカク発見
鳴き声のシンフォニー
裏返しの歯
神話のなかのイッカク
解けゆく氷
グリーンランド
生存狩猟
マクタック
東へ
捕獲作戦
前進
未来
著者等紹介
マクリーシュ,トッド[マクリーシュ,トッド] [McLeish,Todd]
20年以上にわたり、野生生物と環境問題を専門に扱ってきたライター。100を超える雑誌や新聞に寄稿している。アメリカのロードアイランド州在住
中村有以[ナカムラユイ]
英語翻訳家。1980年生まれ。国際基督教大学人文科学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フジマコ
33
イッカク、本当に神秘です。イッカクの存在はユニコーン伝説にも繋がっていて、非常に興味深くこの本を手に取りました。イッカクの事はほとんど知らなくて、角に見えるのは歯が進化した牙だってことくらいしか知らなかったんだけど、昔読んだ村上春樹さんの文書にユニコーン関連の文書があって(ありましたよね)その時位からイッカクの事がちょっと気になっていたって感じです。小さい時クストー船長の「野生の王国」が大好きだった僕は、本でも自然をテーマにしたドキュメンタリー本は大好物で、やっと順番が回ってきたという感じです。2014/08/15
kinkin
24
見れば見るほど知れば知るほど不思議な生き物だ。ほんの20分くらいで水深1000メートルくらいの底に潜ってエサを食べて戻ってくるなんて凄い。 イッカクの角、とても高価なものらしい。生体を一度見てみたいと思った。 2014/05/11
Tetsuharu Hanazaki
4
ライターのトッド・マクリーシュ(Todd McLeish) による一冊。主に2週間の北極の調査チームに、加わった時の体験を軸に書かれている。 イッカクを知らない人が大多数なのは想像上のユニコーンと混在してるみたい。 記憶をたどると、スミソニアン博物館の図鑑で、イッカク科の生き物はイッカクとシロイルカの二種類だけ!という驚きだった。 飼育されている水族館は世界中のどこにもなくて、カナダのバンクーバー水族館で、飼育に挑戦したが、、、悲しい歴史もあった。 卵型に真っ直ぐな角。最高に美しい生き物だと思う。2018/10/29
takao
1
びっくり。オスにのみ一本の角がある2017/12/18
Yoshiki Ehara
1
数メートルもある一本の長い牙を持つ小型のクジラ、イッカク(Narwhal)を最初に知ったのは、ジュール・ベルヌの「海底二万マイル」でした。 ユニコーンのモデルになったという特徴的な牙をはじめ、イッカクの生態の多くは謎に包まれています。イッカクは氷に覆われた北極海で一生を過ごし、20分ほどの潜水時間で1000メートルの深海まで潜ると言われています(氷に閉ざされた冬の間、どうやって息継ぎをする海面を見つけるのだろう?)。北極海でイヌイットの漁師と共にイッカクを追うシーンは、圧巻でした。2014/06/29