内容説明
魚や野菜を行商して歩く呼売商人、楽器を弾いて歩く盲目の老女、体じゅう煤だらけの煙突掃除夫、故買屋、羊の足を売る女…。どん底に生きる人びとがあみだす珍商売・奇商売の数かず。
目次
ローズマリー・レーン
スミスフィールド・マーケットの中古品売り
生きた動物を売る街頭商人
犬の「捜し屋」―ある「ぺてん師」の生涯
偽物の鳥を売りつける小鳥屋の術策
鳥の巣を売る街頭商人〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
7
「『居心地は悪くないかい、ライザ。お茶はあなたのお好み通りに入っているかい、ライザ』」(p.206) 昔、ロンドンの街にサラという名の老女がいた。彼女は目が見えない。いつも、付き添いの女性に手を取られて、街に出ていく――稼ぐため。タンバリンを打ち鳴らし、歌う。「夜になるころには、もうすっかり疲れちゃうわ。そうよねえ、ライザ。でも家に帰ると、同居している女性がいつもお茶と軽食を用意してくれているの。あの人はとてもいい人。いつもあたしの身の回りの世話をきちんとしてくれるのよ。」(pp.210-1)2018/09/19
okamo5
1
ロンドンに住んでいた時、なぜ日本の居酒屋の様に、夜にパブで食事を出さないのかと疑問に思っていたけど、この本を読んで、呼売商人がパブを訪れて食べ物を売る文化の影響で、パブで食事を出す必要が無かった名残だったのかなあと思った。まあ、近年のロンドンでは不況のあおりで夜にパブでも食事を出すようになり、レストラン要素が強まってますが。2012/06/04
madhatter
0
図書館本。