内容説明
八巻卯之吉の尽力で旗本坂上家の当主となった権七郎だったが、祖母の英照院の不行跡の責任を取る形で甲府勤番を命じられる。権七郎の命を狙う英照院と大悪党の天満屋。それを阻止しようと、隠密廻り同心の役を受け甲州路を行く卯之吉たちを待っていたのは、天満屋が仕掛けた罠だった。シリーズ第十二弾。書き下ろし長編時代小説。
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
54
御家騒動から助け出した権七郎に新たな至難が振りかかる。奉行所の苦肉の策は卯之吉に隠密同心を拝命し旗本権七郎の汚名を晴らすため甲州街道へ逃れた下手人を追跡させる。同心八巻を討ち果たそうと企む影の首魁の差し向けた刺客との対決が迫る中にあってただ一人全てが他人事の卯之吉の無欲の強さがつきを呼ぶ…。2020/04/09
yamatoshiuruhashi
53
シリーズ12作め。隠密廻りを命じられた卯之吉。先の物語で旗本のお殿様となった権七郎は祖母が不法に金貸しをやっていたために当主としての責任を取らされて甲州勤番の山流しを命じられる。そこらの絡みで卯之吉も甲州へ向かうのだが、看板に偽りあり。甲州まで行きつかないうちに事件解決。相変わらずの世間離れぶりで大物、切れ者と勘違いされた結果で事件解決。2023/09/05
はにこ
32
前回救った権七郎の窮地に再び駆り出される卯之吉。隠密としての役割を拝命。今度は内藤新宿の鬼兵衛親分に勘違いされる。こんなヒョロヒョロなのにねw美鈴は弱いと分かっているのに何処が好きなのかしら。母性本能ってやつかねぇ。ともあれ、権七郎の窮地は救えたけど黒幕は諦めていなさそうね。まだ続くんだろうな。2021/06/22
ベルるるる
31
卯之吉の正体をわかっている銀八や美鈴の苦労が・・・。段々とこの二人が気の毒になってきた^^2018/11/09
とし
27
シリーズ5巻から11巻(8巻除く)を飛ばして12巻先読みしてしまった。坂上家当主となった権七朗とのかかわりが詳しく解らないが、廻りの早とちりと勘違、卯之助の脳天気な振る舞いと行動は相変わらず、しかしちょこっと卯之吉の洞察力が盛り込まれている、隠密旅ではあるが何時ものメンバー総出に加え、街道筋の大親分を従えての物語。おかしくて楽しい小説です。2013/10/13