- ホーム
- > 和書
- > 経営
- > マーケティング
- > マーケティングその他
出版社内容情報
近年、経営学、マーケティング、教育学、社会起業研究などの分野において、「物語」の重要性が広く認識されるようになってきている。企業のブランド構築、組織内コミュニケーション、学習意欲の喚起、社会的課題解決型ビジネスの推進など、多様な場面で「ストーリー」が人々の意思決定や行動を規定していることが経験的に指摘されている。
しかし、物語がなぜ人の態度や行動に影響を与えるのか、そのメカニズムについては、必ずしも十分に体系化されているとは言い難い。物語はしばしば「感動」や「共感」を喚起するものとして理解されるが、感情的影響にとどまらず、合理的意思決定や持続的行動にまで影響を及ぼしている可能性がある。すなわち、物語は単なる情緒的訴求手段ではなく、行為主体にとっての意味づけ・納得感(sense-making)や、将来行動への確信、自己効力感の形成にも深く関与していると考えられる。
本書の基本的な問題意識は、「物語が価値創造のプロセスにおいてどのような機能を果たしているのか」という問いにある。ここで言う価値創造とは、単に企業の売上や利益に限定されるものではなく、教育サービスによる社会的価値の創造、組織内のモチベーション、社会課題解決型商品の選好など、幅広い社会的・経済的成果を含む概念である。
そして、物語がどのように共通の心理メカニズムを通じて行動を規定しているのかを、実証研究に基づいて明らかにする。物語がなぜ説得力を持ち、なぜ人を動かし、なぜ組織や市場の成果に結びつくのかを、定量的分析と事例研究の双方から明らかにすることで、学術的にも実務的にも応用可能な理論的基盤を提示していく。
本書で示されるモデルは、マーケティング、教育、起業支援、組織開発といった複数分野に横断的に適用可能である。企業におけるブランディング担当者はもちろん、教育機関のブランディングを模索する担当者にも是非手に取っていただきたい。価値創造とは何かを今一度考え、さらにはブランディング戦略における理論的基盤を強化できるはずだ。
【目次】
序 章 本書の問題意識と理論的位置づけ
第I部 組織外部の問題:物語による共感と購買意思決定
第1章 物語構造・情報量とブランド共感
第2章 2大学のブランド物語比較
第3章 2大学のブランド物語の改良
第4章 ライフスタイル・セグメント別の物語評価
第5章 成功体験のストーリー化による自己効力感形成
第6章 大学教育の効果
第7章 低頻度・高関与市場におけるブランド価値の構成要素
第8章 商品の倫理的属性と個人的ベネフィットの架橋
第II部 組織内部の問題:物語による組織行動と業績
第9章 起業物語における経路依存性と自己効力感
第10章 戦略ストーリーと業績の関係
第11章 教育組織でのイノベーション創出
終 章 物語による価値創造の統合モデル
内容説明
「物語」は、なぜ人を動かし、組織や市場の成果に結びつくのか?ブランド構築、起業行動など多様な領域で重視される「物語」。それは単なる情緒的訴求手段ではなく、価値創造の構造を説明する理論装置なのだ…。「物語」を、共感―自己効力感―行動という因果枠組みで再解釈。価値創造プロセスにおける「物語」の機能に迫る!
目次
本書の問題意識と理論的位置づけ
第1部 組織外部の問題:物語による共感と購買意思決定(物語構造・情報量とブランド共感;2大学のブランド物語比較;2大学のブランド物語の改良;ライフスタイル・セグメント別の物語評価;成功体験のストーリー化による自己効力感形成;大学教育の効果;低頻度・高関与市場におけるブランド価値の構成要素;商品の倫理的属性と個人的ベネフィットの架橋)
第2部 組織内部の問題:物語による組織行動と業績(起業物語における経路依存性と自己効力感;戦略ストーリーと業績の関係;教育組織でのイノベーション創出)
物語による価値創造の統合モデル
著者等紹介
金森剛[カナモリツヨシ]
1960年生まれ。専門はマーケティング、消費者行動、経営戦略。慶應義塾大学卒、筑波大学大学院修了。博士(経営学)。野村総合研究所事業部長などを経て、相模女子大学人間社会学部社会マネジメント学科教授、専門職大学院社会起業研究科教授を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



