内容説明
赤坂田町の神谷道場に一人の訪問者があった。朝稽古中の金座裏の若親分・政次が応対にでると、そこには乳飲み子を背にした女武芸者の姿が…。永塚小夜と名乗る武芸者は道場破りを申し入れてきたのだ。木刀での勝負を受けた政次は、小夜を打ち破るも、赤子を連れた彼女の行動に疑念を抱いていた。やがて、江戸に不可解な道場破りが続くようになるが―。政次、亮吉、彦四郎らが今日も鎌倉河岸を奔る、大好評シリーズ、新装版第九弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。71年より74年末までスペインに滞在、闘牛社会を取材。以後、スペインをテーマにしたノンフィクションを発表。1999年、初の時代小説『瑠璃の寺』(文庫化に際して『悲愁の剣』と改題)を発表後、次々と作品を執筆、時代小説の書き手として高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みちゃこ@灯れ松明の火
13
頭の中が金座裏になっております。私までも鎌倉河岸の住人になったみたいに身近に感じるキャスト達(笑)。でも、こんなにも一家惨殺する江戸はいただけないなぁ。今回は小夜に小太郎と新人さんが登場しました。これから彼らは金座裏とどう関わっていくのか楽しみです。それから…政次としほ、見てて羨ましくなっちゃうなぁー。早く「独り祝言」まで読みたいし、このシリーズに追い付きたいですね。 2011/08/24
KAZOO
8
道場破りにもさまざまな人生模様があるということで、今回は子持ちの女性が出てきます。ありえないこととは知りながらいつも引きもまれてアッという間に読んでしまいました。2013/11/08
たかむー
5
江戸物、しかも刀が出てくるとなればやはり出てきますのは女武芸者!!なんで女武芸者って最初男っぽく出てくるんでしょうかね?笑 乳飲み子を抱えてやってくるあたりが新鮮でしたが。それにしても、政次が強くなりすぎな気が。どこに行っても一角の人物となりうる人って確かにいますよねぇ。それにしても亮吉と彦史郎は政次にしほちゃんを取られたこと知っているのか?気になるところ。2012/11/04
ふぅ
4
びっくり!赤ちゃんを背負った女道場破り。小夜さんと小太郎くんはまた登場するのかな。期待しながら次巻へ。2025/03/02
kazukitti
4
これ読んである意味納得したんだけど、佐伯さんの何の葛藤もない磐音の剣客サイコパスセガレの原型って政司だったんだねって。まぁこう、ジャンルというせいもあるし作家性というものあるんだろうけど、よく出来た気持ちの悪い息子像って、子育て世代の女性作家視点の欠如どうこうじゃなくて、単にシュッとした若者が理想像としてあるってことなのね。出来の悪い亮吉みたいなのはハナからコメディリリーフのテンプレで。そういう意味ではソコの逆張りの小藤次が異色ではあったんだけど、2022/04/15