ハヤカワ文庫NV<br> 眠る狼

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ハヤカワ文庫NV
眠る狼

  • ISBN:9784150414108

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内容説明

【アンソニー賞、マカヴィティ賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞受賞】 帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。ベテランのプロの泥棒である祖父の弱気な言葉に胸が騒いだ彼は、10日間の休暇をとって帰郷する。だが空港からなつかしき祖父の家に着くと、そこでは頭に銃撃を受けた祖父が倒れていた! 人事不省の祖父を問い詰めることも出来ないバンは、手掛かりを求め、旧知の仲である祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。どうやら祖父は最後の大仕事を行なっていたらしいが……昂奮と哀愁がクロスするサスペンス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

145
原題「過去の犯罪」はストレートで面白みが無いので訳題「眠る狼」の方が読者にアピールして数倍良いですね。ちなみにヒーローの名は私の好きな歌手さだまさしのソロ2枚目「風見鶏」のラストの歌と同じです。(こんな下らない事が大好きな私を笑ってお許し下さいね。)ミステリーとは言っても早川NV文庫で出るだけあって仰天する程の意外な真相ではありませんが、男女の交情シーンも楽しめましたし、私が最も驚き且つ感動したのは主人公が最後に見せた正真正銘の公明正大な態度で、欲を出してお宝をちょろまかさなかったのが誠に偉かったですね。

のぶ

82
面白いミステリーだった。銃が重要なアイテムになっているところがアメリカらしい。陸軍軍曹のバンの元に、祖父バンからシアトルに帰ってきてほしいと手紙が届くところから物語が始まる。バンとは長らく音信不通だったが帰郷すると、ドノは頭に銃弾を受け瀕死の状態になっていた。真相を探るバンに次第に明らかになる、決して品行方正に生きてきた訳ではないバンの生涯。そして途中に挿入される幼い日の想い出。このあたりの描写がとても良い。帰郷型のミステリーは多くあるが、これもその中の傑作の一つだろう。2017/07/16

Panzer Leader

68
「第102回海外作品読書会」陸軍レンジャー部隊の軍曹が主人公とのことで切れ切れのアクション物と思っていたが、良い意味で裏切られた。雨の町のイメージが強いシアトルを舞台に静謐な文体で静かに物語が進んで行く。祖父を撃った犯人を捜していく現代編に祖父との過去の出来事を語る過去編を交互に挟み込むことによって、この両者の繋がりを魅力的に描き出している。新人らしからぬ手堅さを感じさせる作風で次作以降も楽しみ。2018/01/31

ずっきん

62
プロの泥棒の祖父に育てられた、レンジャー部隊所属のアイリッシュアメリカンが主人公のクライム・サスペンス。一人称小説で『俺』使用。こんだけ私のツボ設定で、面白くないわけがないだろう!ミステリー要素は弱いが、祖父との生活を綴る回想と、現在とが絡み合い真相にうねっていくさまは中々だ。魅力的な登場人物も多い。ただ主人公も含めて描ききれてないような気がする。叙情的な描写は好物だが、レンガのくすみ具合やそこを這う蔦の想いより、人物描写にもう少し文字数を割いて欲しかった。でも『俺』がアイリッシュならばやむを得まいw2018/01/27

ナミのママ

61
『アンソニー賞・マカヴィティ賞・ストランドマガジン批評家賞最優秀新人賞受賞』とても読みやすい海外作品でした。導入部分の登場人物が少な目、土地もあまり移動しない。前半はストーリーもスローテンポで進んでいきます。主人公は米陸軍に籍をおくバン。10年間音沙汰のなかった祖父からの手紙で帰宅したところから始まります。そしてその祖父はプロの泥棒。・・祖父とその友人たちのハードボイルドを含め登場人物の男臭さが魅力です。犯人は思いもよらずでした。これが一冊目とのこと、続きが読みたいです。2017/05/14

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