出版社内容情報
ツール・ド・フランスの歴史から、選手・コースにまつわる秘話、用語解説までを満載した概説書。観戦の楽しみが増す一冊。
内容説明
三週間にわたる自転車耐久レースは二〇一三年一〇〇回目を迎えた。誕生秘話から黄色のジャージ、難所の峠まで、魅力的な逸話を満載し、「ドーピング問題」にも言及する。そして何より、選手が織りなす悲喜こもごものドラマ。人気の秘密がかいま見える一〇〇の話題を紹介。
目次
大所帯の大移動
一九〇三年―ツールの誕生
一九〇三年―あわや中止に
アンリ・デグランジュ(一八六五~一九四〇年)
一九〇四年―荒れまくった二回目
一九〇五年―すってんてんの王者
リュシアン・プティ=ブルトン(一八八二~一九一七年)
一九一〇年―ピレネーの登坂
トゥルマレ峠
一九一一年―謎の毒物事件〔ほか〕
著者等紹介
斎藤かぐみ[サイトウカグミ]
1964年生まれ。東京大学教養学科卒。欧州国際高等研究院(IEHEI)修了。フランス語講師・翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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那由多
21
長年ライバル関係にあったアントナン・マーニュとアンドレ・ルデュックが、1938年のレースで肩と腰に手をやり同時にゴールした話が良かった。現実に少年マンガみたいなことってあるんだな。2023/07/11
hope
20
フランスに夏が来るたびに、新しい物語が加わっていく。ツールが100回目を迎えた年に出版されたエスプリの効いた四方山話。誕生秘話(ドレフュス事件と一匹の犬)からスキャンダルまで、100年以上に渡って人々を熱狂させてきたグローカルなストーリー。 次々に現れるタフガイたち、その悲喜こもごも。快挙や伝説、汗と血潮、歓喜と怨恨、計算と勇気、涙と快哉。ドーピングが可愛いと思える程、想像の遥か上をいく不祥事や悪質行為それもまた人間であり、ロードレースなんだ。そうか、ツール・ド・フランスには人間ドラマの全てがある。2021/01/21
うえ
9
面白すぎて一気に読了。「ドレフュス事件がなかったら、ツール・ド・フランスは生まれなかった、かもしれない」という成り立ちから、1926年の日本人出場選手、よく知られているドーピング問題まで。クセジュ文庫には珍しい(?)読ませる一冊。著者はル・モンド、ル・ポワンの敏腕記者二人。開催者ゴデは「作家のブロンダンにこう言わしめた「ドゴール将軍は12か月のうち11か月、フランスを統率する。7月はジャック・ゴデだ。」軍人となるために生まれたような人間がいるのと同様、彼にはツール・ディレクター以外の経歴は考えられない」2017/01/03
ケニオミ
9
ツール・ド・フランスの100回目を記念して、その歴史を振り返り、100話で結んだのが本書です。レース当事者は勿論、サポーターも登場し、ツールの深みを伝えています。ツールは肉体の限界に挑戦する過酷な自転車レースというイメージがありますが、本書を読んでいると、限界を超えたレースのようでした。薬物に頼らなければレースには勝つことができず、服用は公然の秘密だったようです。レースに勝つためにチーム仲間を騙すことも横行しており、スポーツマン精神などどこへやらという面もあるようで、ちょっとイメージが崩れてしまいました。2014/08/29
suisei214
5
翻訳モノなのでフランス人のエスプリがわからないと読み進めるのかなり苦労する。弱虫ペダルきっかけでうっすらとしか知らなかったツールの影の歴史がかなりわかって面白かった。元の書き手さんたちはフランス人以外に厳しい気がする。ランスさんへの厳しい描写にちょっと驚きました。2014/11/24