出版社内容情報
「高貴な人々」の?イメージ・誤解・実情
イギリスの20世紀以前の小説や演劇には、アッパー・クラス(貴族だけでなく、ジェントリと呼ばれる地主を含む)の人物が必ずと言ってよいほど出てくる。それは、彼らが政治だけでなく、文化の形成にも大きな役割を占めているからである。イギリスの国民性とされるもの、たとえば冷静さも、もとはアッパー・クラスのものだという。
彼らは、長男がすべて受け継ぐ相続制度によって爵位と土地を守ってきた。一方でこの制度は、相続する長男にも、もらえるものがはるかに少ない次男以下にとっても、それぞれに苦労をもたらした。そしてそうした苦労が、しばしば文学や芝居のテーマともなってきた。
では、アッパー・クラスの人々は、イギリス国内でどういうイメージをもたれ、その裏側にはどういう苦労や事情があったのか? 財産を維持する手段としての結婚、知的でないと言われてきた彼らの教育、次男以下の職業事情、そして奇人伝説の裏話までを、本書は文学や著名な人々の例を通して、背景事情とともに読み解いていく。人気のweb連載に大幅加筆のうえ、イギリス人ですらしばしば間違える、貴族の称号の複雑なシステムの一覧表を収録。
内容説明
アッパー・クラスの人々はイギリス国内でどういうイメージをもたれてきたか。その印象・誤解・実像を、文学と著名な人々の例を通して、背景事情とともに読み解いていく。
目次
第1章 貴族の称号
第2章 「ヤンガー・サン」とアッパー・ミドル・クラス
第3章 カントリー・ハウスと相続
第4章 アメリカン・マネー
第5章 ステイトリー・ホーム観光
第6章 アッパー・クラスの教育
第7章 アッパー・クラスとオックスフォード大学
第8章 新しいアッパー・クラスと「ブライト・ヤング・ピープル」
第9章 現代のアッパー・クラスのイメージ
著者等紹介
新井潤美[アライメグミ]
東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士号取得(学術博士)。東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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