出版社内容情報
寂れゆく港町に生きる女性、幽霊となり故郷を見守る先住民の女性など、女性の視点から台湾の近代化と社会の問題を描く短編集世界的な台湾女性作家の傑作短篇集
李昂(リー・アン)は、女性の内面や性、社会の伝統との葛藤をテーマに創作を続けている、台湾で最も著名な女性作家である。英・仏・独・蘭・伊・韓・スウェーデン語など、世界各国で作品が翻訳刊行され、注目を集めている。
本書は、デビュー当時から翻訳を手掛ける藤井省三氏が、1970年~2000年代に書かれた作品から八篇を独自に選んだオリジナル短篇小説集である。初期の抒情性に溢れた作品、実験的な心理小説、そして中期を代表する二・二八事件の後日談としての政治とセックスの物語、最近作からは、台湾の歴史を描く幽霊物語と政治的グルメ小説を収録した。
都市化の波に取り残された港町に生きる女性、結婚後の夫との関係に悩む妻、幽霊となって故郷を見守る先住民の女性など、女性の視点から台湾の近代化と社会の問題を描く。李昂の豊饒な文学世界を堪能できる一冊。
「母、娘、妻、花嫁、老婆、若い女、死んだ女、鬼になった女、いまここを生きている女。――時を超えて響きあう彼女たちの声に圧倒された」――中島京子氏推薦!
李昂[リーアン]
著・文・その他
藤井 省三[フジイ ショウゾウ]
翻訳
内容説明
台湾の近代化と社会の問題を女性の視点から描く、実力派作家による傑作オリジナル短篇集!
著者等紹介
李昂[リーアン]
1952年、台湾西海岸中部にある古都・鹿港で生まれた。1970年、台北の文化大学哲学部に入学、75年、アメリカ・オレゴン州立大学演劇コースの大学院に留学。78年に帰国後は旺盛な創作活動のかたわら、コラムニスト、テレビ評論家としても活躍。2004年にフランス政府より芸術文化勲章騎士勲功を授賞されたほか、台湾では連合報中篇小説賞、呉三連文学賞などを受賞
藤井省三[フジイショウゾウ]
1952年、東京都生まれ。桜美林大学文学部助教授を経て88年東京大学文学部助教授、94年同教授。日本学術会議会員(2005‐14年)。専攻は現代中国語圏の文学と映画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。