翻訳のダイナミズム―時代と文化を貫く知の運動

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  • サイズ B6判/ページ数 441,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560095102
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C0022

出版社内容情報

古代ギリシアの科学・文化はいかに中世アラビア・近代日本へと継承されたのか。叡知の伝播を壮大に描く前人未踏の《翻訳の世界史》壮大詳細な《翻訳の世界史》
 文化や学術が栄える時と場所には必ずその直前に旺盛な翻訳活動が行われている。本書は〈知の転移〉とも言われるこの営みをテーマとして古代ギリシアから古代ローマ、中世アラビア・ラテン世界、そして江戸明治期に至る知の継承の実際とその全世界的な伝播の系譜に迫り、現代の学術翻訳の問題にも切り込む意欲的な作品である。
 古代ギリシアの叡智の多くは直接西欧近代に伝わったのではない。まずはシリア語・ペルシア語に、ついでアラビア語・ラテン語に翻訳されていった過程を主に科学作品を軸に追ってゆく。外来知を、専門用語をどう訳しどう現地化するのか。ジュンディーシャープールやバグダード、トレド、江戸の地で、史上随一の翻訳家とされるフナインばかりか、多くの学者やネストリウス派の人々、遍歴知識人等の苦闘が知的ノンフィクションのごとく描かれ、翻訳とは時に原典内容を変形し新たな文化を創出することでもあると強調される。その営為の計り知れない意義とダイナミズムを活写して絶賛された本書は、西洋文明の成立史に一撃を加え、かつ我々の現在をも照射する。叡知の継承を壮大詳細に描く未踏の《翻訳の世界史》。

スコット・L・モンゴメリ[モンゴメリ]
日本在住経験もあるアメリカの地質学者・エネルギーコンサルタント・科学史家・翻訳家、ワシントン大学(シアトル)所属。資源地質学を専門とするが、その幅広い知識と世界各国での経験をいかした著述活動は多岐にわたる。主著は本書の他《Moon: A Tribute to Earth's Nearest Neighbour》(2008)などがあり、諸国語版で刊行されてもいる。近著の《Does Science Need a Global Language?》(2013)は本書の第三部の議論を発展させたものとして好評をもって迎えられており、また共著《A History of Science in World Cultures》(2016)は本書の論点を踏まえて古代?中世のグローバルな科学史を描ききった力作である。

大久保 友博[オオクボ トモヒロ]
1982年滋賀県生まれ。2015年京都大学大学院博士後期課程修了。翻訳論・翻訳史専攻。博士(人間・環境学)。同志社大学ほかで非常勤講師。大久保ゆう名義ではエンターテイメント系の翻訳のほか、近代文学やデジタルアーカイブ等の評論も手がける。日本通訳翻訳学会会員。主要論文:「翻訳論から見た英国17世紀の翻訳者たち――古典を訳した人間とその環境」(博士論文、2015)「ドライデンの翻訳論と中庸の修辞」(『十七世紀英文学を歴史的に読む』金星堂、2015)、主要訳書:ラヴブクラフト『クトゥルフ神話』(パンローリング、2012)ストゥルーザン『コンプリート ワークス オブ ドゥルー・ストゥルーザン』(マール社、2015) シェラット『ヒトラーと哲学者』(共訳、白水社、2015)ウィットラッチ『幻獣キャラクターを創る』(マール社、2016)など。

内容説明

翻訳者は格闘する、新たな文化創出のために。古代ギリシアの科学・文化はどのように中世アラビア・近代日本へと継承されたのか。叡知の伝播を壮大詳細に描く未踏の“翻訳の世界史”

目次

叡智の転移と影響関係
第1部 時空を越えた星空―西洋天文学の翻訳史(ローマ翻訳時代―ギリシア哲学から中世写本まで;東方における天文学―シリアおよびペルシア=インドへの転移;八~十世紀アラビア科学の成立―翻訳と知的伝統の形成;ラテン語への再移転―中世世界の変容)
第2部 訳して理を知る―日本の科学受容史(ある風説書―翻訳と近代日本科学の源流;日本科学の形成―テクストと翻訳者たち)
第3部 現代の視点から―変化と差異のリアリティ(科学翻訳研究の現状;結論―翻訳の際に得られるもの)

著者等紹介

モンゴメリ,スコット・L.[モンゴメリ,スコットL.] [Montgomery,Scott L.]
1951年生まれ、日本在住経験もあるアメリカの地質学者・科学史家・翻訳家、ワシントン大学(シアトル)所属。資源地質学を専門とするが、その幅広い知識と世界各国での経験をいかした著述活動は多岐にわたる

大久保友博[オオクボトモヒロ]
1982年滋賀県生まれ。2015年京都大学大学院博士後期課程修了。翻訳論・翻訳史専攻。博士(人間・環境学)。同志社大学ほかで非常勤講師。大久保ゆう名義ではエンターテイメント系の翻訳のほか、近代文学やデジタルアーカイブ等の評論も手がける。日本通訳翻訳学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てつ

44
前半は難しくて読み飛ばし。後半は興味深く読んだ。西洋科学の導入過程での翻訳の役割については、さらに興味が膨らんだ。2017/11/19

belier

2
科学史における翻訳の果たした役割を概説。近代科学が翻訳により始まった例として、日本の江戸時代の翻訳について詳しい説明もある。ローマ時代の翻訳者はギリシアの数理科学の大半を無視したため、中世の西欧は12世紀にアラビア語から翻訳されるまでその知識がなかった。古代ギリシアの科学は中東で維持された。アラビア語へ翻訳する際、インドの数学やペルシアの知もアラビア語に流入して、より豊かなものになった。8~10世紀のアラビア科学の成立だ。その果実が西欧に渡った。翻訳は言語間で情報を写すだけでなく、知の発展に貢献するのだ。2022/07/06

えふぇくたー

2
知人が忘れていったので勝手に読んだらびっくりするくらいいい本だった。邦題ではニュアンスが消えてるが、原題はScience in Translationで、サイエンスと翻訳の相互作用の大クロニクル。外国の本だが日本の西洋翻訳事情分析が1/3くらいを占めてるのでは。翻訳がそのまま科学の発展を意味した江戸や明治と単純比較はできないが、それでも英語から日本語への情報の流入というのは止めてはならない。江戸時代にgravityを重力と訳すセンス。極めて限られた情報で高度な翻訳を果たした先人達の偉業に敬服。2018/11/23

naoto

2
読みごたえ大有り。古代ギリシャから中東イスラムへ、そしてヨーロッパへ。今は聞かないシリア語やパフラビー語か活躍してたんだな。第2部は2章を使って日本の科学翻訳について。かなりな分量なので、日本人の著作だったっけ?なんて思ったり。忘れがちだけど、翻訳がなければ読める本は限られて、グローバルな知識は得られないんだよね。改めて、翻訳の大事さがわかった気がした。2017/09/04

Shun'ichiro AKIKUSA

2
勉強になった。タイトルは販売のためか、ややミスリーディングで、原著の『翻訳における科学』がわかりやすい。科学史の中で翻訳がはたした役割の概説が主なので、漠然と文芸翻訳に興味があるひとが手にとっても肩透かしをくらいそう。ただ、第二部「日本の科学受容史」は多くの人が読む価値がある。性質上、多くの言語に話がまたがるため、翻訳は大変だったと思う。2016/12/17

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