出版社内容情報
戦場で何があったのか、戦闘に至る歴史的背景と政治的思惑、その結果もたらされたものを冷徹な筆致で描いたノンフィクションの白眉。
内容説明
ヴェトナム戦争取材に携わった英国のジャーナリストが悲劇を再構築。第一次インドシナ戦争前夜からサイゴン陥落までの30年を振り返り、戦場で何があったのか、戦闘に至る歴史的背景と政治的思惑、その結果もたらされたものを事実に即して描写し、悲劇の本質に迫る。
目次
第1章 美女と多くの野獣たち
第2章 「汚い戦争」
第3章 存在しなかった要塞
第4章 血の足跡
第5章 双子の専制国家
第6章 ちょっとケネディ流
第7章 一九六三年―二人の大統領のための棺桶
第8章 迷路
第9章 湾に入る
第10章 「いかに進めるべきか、途方に暮れている」
第11章 段階的拡大へ
第12章 「雲をつかもうとして」
第13章 汚職とハッカ油
第14章 「ローリング・サンダー作戦」
第15章 苦労を引き受ける
著者等紹介
ヘイスティングス,マックス[ヘイスティングス,マックス] [Hastings,Max]
1945年生まれ。英国のジャーナリスト、歴史家。25歳のとき、BBCの特派員としてヴェトナム戦争報道に従事。ほかに『デイリー・テレグラフ』の編集長、『イヴニング・スタンダード』の編集者などを務めた
平賀秀明[ヒラガヒデアキ]
1956年生まれ。早稲田大学卒業。中国通信社、共同通信社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
健
13
560頁5週間かかった。ヴェトナム戦争に関連するあらゆる事象が注ぎ込まれている。時系列に記述されているが、同時並行して、膨大な数の市民や兵士の現場体験が羅列的に織り込まれており、そのスタイルに慣れるまで非常に読み難かった。それだけヴェトナム戦争が両者にとってめちゃくちゃな戦争だった事が分る。一般的に北ヴェトナムに肩入れしがちだけど、実態は徹底的なスターリン主義、毛沢東主義国家で、多くの人々が階級闘争に巻き込まれ監視社会の下で悲惨な生活を送っていた事も垣間見えた。北爆がその社会の結束を強めたところで下巻へ。2024/05/16
ポルターガイスト
5
これでもかというくらい詳細なベトナム戦史。現時点での決定版的な内容になっている。ジャーナリストの著作なので描き方はやや扇状的ではあるが,詳細さの点で言えばピカイチではないか。日本の一般的な読者であれば中公新書の『ベトナム戦争』で事足りるとは思うが。当事者の発言や体験が断片的に挿入されている点で普通の歴史書にない生々しさと錯綜感があり,バオ・ニン『戦争の悲しみ』にも通ずる味わいがある。本書は北ベトナムの欺瞞にもかなりページを割いているのが印象的。2024/08/04
takao
3
ふむ2024/04/25
c3po2006
0
★★★★2024/08/30
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