エクス・リブリス<br> アルグン川の右岸

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エクス・リブリス
アルグン川の右岸

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090336
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

出版社内容情報

トナカイとともに山で生きるエヴェンキ族。民族の灯火が消えようとしている今、最後の酋長の妻が九十年の激動の人生を振り返る。

【著者紹介】
1964年生まれ。中国の作家。「霧の月」(原題「霧月牛欄」)、「年越し風呂」(原題「清水洗塵」)で第一回・第二回の魯迅文学賞短編小説賞を受賞。「世界中のすべての夜」(原題「世界上所有的夜晩」)で三度目の魯迅文学賞の中編小説賞を受け、「アルグン川の右岸」で第七回茅盾〈マオトン〉文学賞を受賞。

内容説明

エヴェンキ族最後の酋長の妻、90歳の「私」は、仲間が定住地に移住していくのを見ながら、森の中で最後までトナカイと一緒に残ることを決意して、これまでの人生を語り始める。もともと民族はバイカル湖周辺に住んでいたが、ロシア軍が侵攻してきたため、アルグン川の右岸に渡る。そこは当時、清国だったが、やがて中華民国となる。そして日本軍の対ソ連前線基地となり、男たちは軍事訓練を受けるが、日本軍は敗退していく。やがて中華人民共和国の内モンゴル自治区に変わり、社会主義体制のもと、政府は医療の改善と教育の充実、また動物保護を名目にして定住生活を推し進める。だが彼らのトナカイとの共存共栄の生活が理解されず、狩猟民としての生活が破壊されていく。都市での定住生活に適合もできず、将来を見出せない狩猟エヴェンキ族。民族は徐々に衰亡し、やがて絶滅してしまうのではないか、と危惧する…。

著者等紹介

遅子建[チーズジェン]
1964年生まれ。大興安嶺師範専科学校中文系に入学し、在学中から作品を書き始め、卒業後、教師となる。その間に「北極対童話」を書き上げ数年後に発表し、実質的なデビュー作となる。87年、教師を辞めて、ハルビンの文芸誌『北方文学』の編集部勤務を経て、やがて専業作家になる。97年、「霧の月」(原題「霧月牛欄」)で第一回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞。2001年、「年越し風呂」(原題「清水洗塵」)で第二回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞

竹内良雄[タケウチヨシオ]
1945年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。中国文学専攻

土屋肇枝[ツチヤトシエ]
1964年生まれ。慶應義塾大学、中央大学ほか講師。中国現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

松本直哉

36
木を乱伐してモンゴルを砂漠化した漢族と違って、薪にするのに生きた木は決して伐らず、倒木を拾うことひとつにも、この少数民族の自然への洞察と叡智が窺える。国家も文字ももたず、トナカイとともに森に暮らす彼らの静謐な生活が、満州事変から中華人民共和国建国、文化大革命という隣接する国家の軋轢と干渉のなかで衰亡してゆく過程が、最後の酋長の妻の目から哀惜をこめて語られる。星や山河、森の中での求愛、豪宕な祭儀としての狩りと宴、神秘的な巫女の踊り、いずれの描写も悲しく美しい。それが二度ともどらないだけになおさら。2015/09/21

兎乃

27
“ツンドラ・サバイバル”と併読み。小さな部族の衰退。静謐で重厚な断末魔。無音の慟哭。2015/09/15

miyu

26
いつの間にか自分自身が物語の中に入り込み語り手の「私」と一体化していた。目の前に広がるのは紛れもなく「私」の呼吸しているあのアルグン川。アマ(父)を始めとするウリレン、そしてヘラジカたち。自然に静かに寄り添い控えめに生きるエヴァンギ族にも、終わりは容赦なく訪れるのだ。歴史は人の儚い営みをこうも冷淡に呑み込んでしまうものなのか。人の醜さと哀れさ、そして逞しさと優しさ。全てを包んで何事もなかったかのように時は流れ去る。「私」の物語が終わっても別の物語は続いてゆく。あまりにも愛おしく、胸が張り裂けそうに切ない。2014/10/19

星落秋風五丈原

21
民族はバイカル湖周辺に住んでいたが、ロシア軍が侵攻してきたため、アルグン川の右岸に渡る。清国→中華民国→日本軍の対ソ連前線基地→中華人民共和国の内モンゴル自治区へと支配する国の名前は次々変わってゆく中で、頑ななまでにトナカイとの共存関係を貫くエヴェンキ族の在り方を、ある女性の一生と重ねて描く。2014/05/19

ハチアカデミー

20
中国の山奥で生活をするエヴェンキ族の女性を語り手とした、一族の衰勢期。トナカイを始めとした動物や、村を囲む自然との生活を描きつつ、その中での人々の生活を丁寧に描いている。旧満州国領域でもあるため、太平洋戦争前後の中国・日本・ロシアに翻弄される少数民族の憤怒も盛り込まれる。作品全体に漂うのは濃厚な死のにおい。それは自然の中に住まうことの厳しさと、そもそも人間はいずれ死すべき存在であることが強く意識されている。エヴェンキ族の風習を知ることが出来ると同時に、都市生活者の感覚を揺さぶる力を持った作品である。2014/04/30

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