世界の迷路<br> 世界の迷路〈3〉なにが?永遠が

個数:

世界の迷路
世界の迷路〈3〉なにが?永遠が

  • ウェブストアに4冊在庫がございます。(2025年05月30日 06時58分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 374p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560084076
  • NDC分類 950.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

若き妻を失った父ミシェル、彼が心を寄せた女性の存在。時代は戦争へと突入し、一族の物語はついに〈私〉という存在へと辿り着く。

北米メイン州の島で半世紀近く過ごし、パリの文壇とは無縁に生きた孤高の作家ユルスナール。「現代に迷い込んだ古典作家」とも評される彼女自身について、われわれは決して多くを知っているとはいえない。
 本書は、じつに二十年という歳月を費やして、はるか両親の先祖にまで遡りながら〈私〉という存在の謎に迫った、まさに著者のライフワークと呼ぶべき自伝的三部作〈世界の迷路〉の最終巻である。前二作では、感傷を排した透徹した筆により、歴史小説さながらに〈母〉の物語、〈父〉の物語を描いたユルスナールが、本書ではようやく〈私〉の記憶へと降り立つ。しかし、相変わらず自らを語る著者の態度は慎ましい。自身について決して直截に語ることのなかったユルスナールは、遺作となった本書においてもまた、最愛の父を、そして父が愛情を傾けたひとを語る「交感の魔術」によって、〈私〉を逆照射する。また語られるのは青春期までであるが、さりげなく挿入されたエピソードには、小説や著者自身に関する重要な鍵が豊富に隠されている。訳者堀江敏幸の「交感の魔術」にも耽溺されたい。

単調な日々
降霊術師
軽いお世辞
黄金の三脚
裂け目
忠誠
幼年時代のかけら
愛のかけら
揺れ動く大地――一九一四-一九一五
揺れ動く大地――一九一六―一九一八
錯綜した小径

マルグリット・ユルスナール略年譜
訳者あとがき

【著者紹介】
1903年ベルギーのブリュッセルで、フランス貴族の末裔である父とベルギー名門出身の母との間に生まれる。本名マルグリット・ド・クレイヤンクール。生後まもなく母を失い、博識な父の指導のもと、もっぱら個人教授によって深い古典の素養を身につける。1939年、第二次世界大戦を機にアメリカに渡る。51年にフランスで発表した『ハドリアヌス帝の回想』で、内外の批評家の絶賛をうけ国際的な名声を得た。68年、『黒の過程』でフェミナ賞受賞。80年、女性初のアカデミー・フランセーズ会員となる。晩年の集大成である、母・父・私をめぐる自伝的三部作〈世界の迷路〉――『追悼のしおり』(1974)、『北の古文書』(1977)、本書『なにが? 永遠が』(1988)――は、著者のライフワークとなった。主な著書は他に『東方綺譚』(1938)『三島あるいは空虚のビジョン』(1981)など。87年、アメリカ・メイン州のマウント・デザート島にて死去。

内容説明

若き妻を失った父ミシェル、彼が心を寄せた女性の存在。時代は戦争へと突入し、一族の物語はついに“私”という存在へと辿り着く。母・父・私をめぐる自伝的三部作、第三巻。

著者等紹介

ユルスナール,マルグリット[ユルスナール,マルグリット] [Yourcenar,Marguerite]
1903年ベルギーのブリュッセルで、フランス貴族の末裔である父とベルギー名門出身の母との間に生まれる。本名マルグリット・ド・クレイヤンクール。1939年、第二次世界大戦を機にアメリカに渡る。51年にフランスで発表した『ハドリアヌス帝の回想』で、内外の批評家の絶賛をうけ国際的な名声を得た。68年、『黒の過程』でフェミナ賞受賞。80年、女性初のアカデミー・フランセーズ会員となる。87年、アメリカ・メイン州のマウント・デザート島にて死去

堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年生まれ。作家、フランス文学者。早稲田大学第一文学部卒。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

94
須賀敦子さんの「ユルスナールの靴」が印象に残っていたのと、訳者が私の好きな堀江敏幸さんなので読んでみることにしました。この作家の自伝3部作の最後の作品のようですが未完ということでもう少し長い予定だったのでしょう。私の好きなタイプの話でかなりきめ細かい日常が描かれています。今後少しこの作家のものを読んでみたい気もします。2018/08/17

syaori

46
三部作の三作目で未完の遺作。痛感するのは、人物や出来事は「反射角と入射角」により移ろうものだということ。何度も語られる事件、人々は見る角度、時間的な距離により様々に変化し印象を変えてゆく。「非の打ち所のない」人物も近づいてみると混乱し苦しんでいて、善と悪、理性と正義は角度によって入れ替わり、世界は入組んだ迷路と化す。作者はそんな世界を描くことで、錯綜する自身の心も描いていたように思います。そして本書はその世界の、心の迷路を迷い見詰め意味を問い続けた作者の答えであり、世界への愛の言葉だったように感じました。2020/06/11

兎乃

37
死後出版された Quoi? L’Éternité を堀江氏の翻訳で読める幸せ。ランボーの詩句をタイトルにした第3巻は厳密に言えば未完、けれどヒトは自らの生まれ出でた瞬間と死の瞬間を 自らの手で記録する事は不可能であり ユルスナールの作家としての慎みを感じる。全体タイトル“世界の迷路”は、17世紀の作家コメニウスの作品から。混沌の時代、或る家族の物語は、歴史という巨大な迷路そのものだという認識に至る。描く時代によってユルスナールは 微妙なスタイルの変化を見せ、各巻ごとに翻訳者がかわる手法はとても良いと思う。2015/09/16

みねたか@

29
名作「ハドリアヌス帝の回想」で挫折して以来敷居が高いユルスナール。Sさんのレビューにつられ手に取りました。全般に漂う硬質なエロス,透徹した視座,推敲を重ねた文章は隙がなく圧倒されます。本作では特に章ごとに趣の異なる構成に魅せられました。前半の焦眉マリーの死,父ミシェルとジャンヌの恋,第一次大戦などドラマチックな場面の一方,静かに描かれる少女の内面,時に幻想的なまでに美しい情景。Sさんのおかげでまた充実した読書でした。ありがとうございます(自伝的三部作の最終巻のみを読むという所業はご容赦ください)。2020/11/25

さちこ

5
私という存在 。なんなのだろう。ユルスナールさんは全力で自分と向き合ったんでしょうね。翻訳が素晴らしいです。2015/12/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9732445
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品