人間が幸福になる経済とは何か―世界が90年代の失敗から学んだこと

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  • サイズ B6判/ページ数 411,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198617615
  • NDC分類 332.53
  • Cコード C0033

内容説明

膨大な財政赤字を引き継いだクリントン政権。スティグリッツは経済諮問委員長として経済立て直しという難題に取り組む。彼らは規制緩和と金融の自由化を推進することで空前の好況を演出する。しかし、それは後の歴史がしめすように、崩壊の種子を内包した危険極まりないバブルであった―。一体どこに間違いがあったのか?経済政策はなぜこうもしばしば誤るのか?弱者を思いながらも、さまざまな利害の衝突に翻弄された90年代を検証し、未来への教訓と祈りをこめた話題の書。

目次

「狂騒の90年代」とは何だったのか
好況から不況へ―崩壊の種子は蒔かれた
奇跡か、ただの幸運か―赤字削減の苦闘
「全能」のFRBはなぜバブルを防げなかったのか
規制緩和の暴走
貪欲の経済―粉飾会計とストックオプション
銀行の変質とバブル
減税が熱狂をあおった
もはやわれわれは安心な生活を送れない
世界を不幸にしたグローバリズムの始まり〔ほか〕

著者等紹介

スティグリッツ,ジョセフ・E.[スティグリッツ,ジョセフE.][Stiglitz,Joseph E.]
1943年生まれ。アマースト大学卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院に進み、英国ケンブリッジ大学へ留学。博士号を取得。エール大学をはじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。ミクロとマクロの経済学を統合する新パラダイムを確立し、情報、インセンティブ、技術革新などの問題に新しい光をあてた。1993年3月、クリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加。95年6月より委員長に就任し、アメリカの経済政策の運営にたずさわった。1997年1月に辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを2000年1月まで務める。「情報の経済学」を築き上げた貢献により2001年のノーベル経済学賞を受賞。アメリカのスター的経済学者であり、「50年に1人の逸材」と賞賛されている。現在はコロンビア大学教授

鈴木主税[スズキチカラ]
1934年東京生まれ。10年の編集者生活を経てフリーとなり、英米図書の翻訳に従事して今日にいたる。およそ10年前から翻訳グループ「牧人舎」を結成して、個人では手がけにくい事典などの翻訳に積極的に取り組むかたわら、後進の指導に力を注ぐ。『栄光と夢』(ウィリアム・マンチェスター著、草思社刊)で翻訳出版文化賞を受賞
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

123
現代がローリング90ということでローリング20をもじっているのでしょう。90年代がこのような感じで2000年代が不況に突入ということをいっているのでしょう。かなり辛らつな感じで書かれています。スティグリッツとしては珍しいのではないでしょうか?エネルギー規制緩和や銀行規制緩和が何をもたらしたのか、またグローバリズムが本当にいいのか、ということで論じており、TPP対応などでもアメリカが今そのような状況に入りつつあるということなのでしょう。2016/04/10

壱萬弐仟縁

30
2003年初出。必要なのは、国家と市場のあいだに、地域と国や世界における集団行動のあいだ、政府の行動と非政府の行動のあいだに適切な線引きをすること(9頁)。本書のテーマの一つ:個人の動機、誘因にたいする反応(15頁)。民主主義を機能させたければ、市民が社会の直面する基本的な問題と、政府の機能する仕組みを理解しなければならない(18頁)。本書の目的:アメリカの90年代の繁栄がどうしてその後の急激な不況につながったかを理解すること。過去の過ちを繰り返さないための教訓を引き出せるようにすること(87頁)。2015/12/05

Francis

2
原題は「狂騒の90年代」。レーガン・ブッシュ(父)、クリントンを挟んでブッシュ(子)の共和党政権下で実施された規制緩和、小さな政府、金融緩和の政策が格差を広げ、バブルを過熱化させ、エンロンなどの大企業の暴走を招いたことを厳しく批判。特にエンロンなどの企業の暴走や金融緩和を批判するくだりでは、もしここで対策が十分に行われていれば後のリーマン・ショックは起こらなかったのに、と思わずにはいられなかった。最後の章で公正な社会を実現するための方策を簡単ではあるが提示。世界最高の経済学者の筆はこの本でも冴えている。2013/10/31

惰性人

2
著者は90年代のアメリカの覇権主義、金融市場主義はアメリカ自身のために、改められなければならないと警告していました。しかし、現在、著者の懸念が現実になってしまったようです。2009/03/08

Hiroshi Obara

1
スティグリッツ本は2冊目。続けて出版された本のようです。前作から続けてグローバリズム、アメリカ貪欲主義を痛烈に批判しています。確かにその通りなんだろうなぁと思う。 この本が出版されて既に10年以上経過し、アメリカ大統領はブッシュ、オバマと変わっています。アメリカは変わったのだろうか。次は2000年代の経済本を読んでみる。 それにしても何とか年内に読み終わりました。良かった。 (^^)2016/12/29

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