内容説明
膨大な財政赤字を引き継いだクリントン政権。スティグリッツは経済諮問委員長として経済立て直しという難題に取り組む。彼らは規制緩和と金融の自由化を推進することで空前の好況を演出する。しかし、それは後の歴史がしめすように、崩壊の種子を内包した危険極まりないバブルであった―。一体どこに間違いがあったのか?経済政策はなぜこうもしばしば誤るのか?弱者を思いながらも、さまざまな利害の衝突に翻弄された90年代を検証し、未来への教訓と祈りをこめた話題の書。
目次
「狂騒の90年代」とは何だったのか
好況から不況へ―崩壊の種子は蒔かれた
奇跡か、ただの幸運か―赤字削減の苦闘
「全能」のFRBはなぜバブルを防げなかったのか
規制緩和の暴走
貪欲の経済―粉飾会計とストックオプション
銀行の変質とバブル
減税が熱狂をあおった
もはやわれわれは安心な生活を送れない
世界を不幸にしたグローバリズムの始まり〔ほか〕
著者等紹介
スティグリッツ,ジョセフ・E.[スティグリッツ,ジョセフE.][Stiglitz,Joseph E.]
1943年生まれ。アマースト大学卒業後、マサチューセッツ工科大学大学院に進み、英国ケンブリッジ大学へ留学。博士号を取得。エール大学をはじめオックスフォード、プリンストン、スタンフォード大学で教鞭をとる。ミクロとマクロの経済学を統合する新パラダイムを確立し、情報、インセンティブ、技術革新などの問題に新しい光をあてた。1993年3月、クリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加。95年6月より委員長に就任し、アメリカの経済政策の運営にたずさわった。1997年1月に辞任後、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストを2000年1月まで務める。「情報の経済学」を築き上げた貢献により2001年のノーベル経済学賞を受賞。アメリカのスター的経済学者であり、「50年に1人の逸材」と賞賛されている。現在はコロンビア大学教授
鈴木主税[スズキチカラ]
1934年東京生まれ。10年の編集者生活を経てフリーとなり、英米図書の翻訳に従事して今日にいたる。およそ10年前から翻訳グループ「牧人舎」を結成して、個人では手がけにくい事典などの翻訳に積極的に取り組むかたわら、後進の指導に力を注ぐ。『栄光と夢』(ウィリアム・マンチェスター著、草思社刊)で翻訳出版文化賞を受賞
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