出版社内容情報
嫁姑問題の意外な解決方法、ペットと暮らす心がまえ、年金と介護現場の苦悩……NYに暮らす中国系移民の生活を描きつつも、わたしたちの日常の哀歓とかさなりあう物語たち。
内容説明
嫁姑問題の意外な解決方法、年金と介護現場の苦悩、そして遠く離れた親を思う心…NYに暮らす中国系移民の生活を描きつつ、普遍性をもった心にしみる短編集。
著者等紹介
ハジン[ハジン]
中華人民共和国出身の作家。ブランダイス大学留学中に天安門事件がおきたため、帰国を断念しアメリカに帰化する。1999年に発表した長編『待ち暮らし』(早川書房刊)が全米図書賞とPEN/フォークナー賞をダブル受賞したのをはじめ、長編・短編集・詩集を多数刊行し、フラナリー・オコナー短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞など数々の栄冠に輝いている。現在、ボストン在住、ボストン大学英文学教授
立石光子[タテイシミツコ]
1981年、大阪外国語大学英語科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たま
68
イーユン・リーさんの『千年の祈り』を読み、ほかの中国系アメリカ人の作品を読んでみようと、まずこの本を読んだ。原著は2009年、12の短編すべてNYのチャイナタウン(フラッシング)に暮らす中国系移民第1世代の人々のスケッチでオー・ヘンリー的王道のアメリカ短編。比較的安定した立場の人でも移民の不安定さにおびえ(「英文科教授」)、最後の2編の不法移民はその立場そのものがテーマ。リスクを冒しつつ生きること、切っても切れない家族との人間関係、リアルであると同時に普遍的なテーマで面白かった。2025/05/08
キムチ
47
応援歌的な作品じゃないのに、読後・・「生きていくって、こんなもんなんだなぁ」としみじみ感じた。筆者の写真そのものの静謐な筆致はじんわり読ませる。中国生まれ、米国籍を持ち作品を母国語以外で綴る。移民文学というのとも少しニュアンスが異なるような、足がアメリカに置かれた感覚。正直、英語が不自由でもこんな具合に、結構、タフに生活できている事には驚かされる。頁上飛び交うのは高学歴、涎が出そうな料理の数々、おやつまで美味そうだ。男も辛いけど女もね。淫売宿で逞しき生きる彼女らにはいつもお天道様が上にいるって感覚が伺える2024/12/21
pulpo8
19
アメリカのチャイナタウン、フラッシングに住む中国系移民の12の物語。最初の「インターネットの呪縛」には特に何の感想も湧いてこず、こんなもん?と思ったのだが、その次の「作曲家とインコ」から胸をくすぐられ始めた。私が特に好きなのは「選択」「恥辱」「英文科教授」(いじらしい!)「すばらしい墜落」。故郷や時代が主人公たちに重要な影響を与えていることをひしひしと感じるが、そういう難しい考察なしにしても一人の人生を覗いている感覚で、家族小説として楽しめるところが上手い。職業の書き込みも十分で興味深い。面白かった。2017/08/14
Ecriture
19
NYの中国人街フラッシングを舞台とする短篇集。中国系の非常勤講師が終身在職権を得られるかを巡って奔走する「英文科教授」、米で堕落した中国僧侶に搾取される中国人とその転機となる墜落を描き、墜ちることで上がっていく「すばらしい墜落」、ネットによる本国との接続過剰に悩む「インターネットの呪縛」、整形した美人妻との夫婦問題を描く「美人」、中国式の強い親子のつながりを重んじる母とアメリカ妻との確執を描く「板ばさみ」など貧しく保守的な中国から米へと文化の海を渡ったからこそ生まれる作品が多い。2014/04/17
En
11
中国から、それぞれ希望を持ってアメリカに移住してきた人々を書いた短編集。アメリカで良い仕事につけた人、そうでない人が孤独な大都会を舞台に奮闘する姿には、勇気をもらえますが、同時にどこに行っても何をしても悩みは尽きないものだな…と感じる。2014/12/05




