出版社内容情報
重い障害を持つ二人の息子を抱え、懺悔と自責の念で苦悩する父親。子どもたちとの日々を素直な思いで語る、笑いと涙の自伝的小説。
内容説明
外では、常に人を笑わせるユーモア作家。家では、重度の障害を持つ二人の子の父。フランス中を感動に包んだ、実話に基づく笑いと涙の物語。フェミナ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
93
社会的には華々しい生活を送っている著者には、障害がある二人の息子がいる。戸惑いを隠せない父親は、何とか自分の悲しみを紛らわそうと、自分が戸惑っていることを見せまいと、ブラックユーモアを発する。それは、ときに、相手を驚かせたり、腹を立てさせたりする。でも。「おい、ジャン=ルイ、おまえは自分のこともままならない小さなふたりの子どもを冗談のネタにして、恥ずかしくないのか? 恥ずかしくない。そんなことで、愛情は減ったりしない。」そう。彼がどんなに子どもたちを愛しているか、ちゃんと分かる。痛いほどに。 2019/07/30
蘭奢待
18
ユーモアあふれる気鋭のTVディレクターであり作家である著者の息子は重度の障害者であった。それも長男、次男とも。長男は幼くして亡くす。妻ともすれ違いで別れ、障害のある息子をさづかってしまった不幸、障害を持って生まれてしまった息子の不幸を嘆き、悩み、絶望の中で希望を探す。深く考えさせられる作品。2018/09/02
ヒラP@ehon.gohon
17
障害児を二人かかえている父親というのは、とても大変なのだと想像します。その大変さ親としての愛情もわかるのですが、自虐ネタでユーモアに置き換えることがどうなのかはよくわかりません。 子どもたちと著者の距離感が、ちょっと寂しかったです。2020/08/11
ぱせり
10
笑っていいのか、おかしいといっていいのか、困っている自分が情けない。こういうときに情けなくなってしまうことも情けない。笑いは時にブラックです。でも、笑う時、少なくても相手のことを真っ直ぐ見ている。ああ、だめだめ。わかったようなこと言ってごめんなさい。ほんとうは何もわかっていない。2011/05/02
こもりゆう
8
こんな風に書いてよいのだろうかと思うほどの本だった。でも、それが作者の正直な気持ちなんだろう。息子のトマと電話をしている場面では作者の優しさを感じました。2018/07/18
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