ジョゼフ・コーネル―箱の中のユートピア

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  • サイズ B6判/ページ数 497,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560081099
  • NDC分類 712.53
  • Cコード C0071

出版社内容情報

女優のブロマイド、天体図、古切手や古地図、海岸で拾ってきた貝殻などを箱に収めた作品を、生涯に800点以上制作し、さまざまな芸術家に多大な影響を与えたコーネル(1903-1972)の全貌に迫る。

内容説明

ニューヨークの片隅で、女優のブロマイド、天体図、古切手や古地図、海岸で拾ってきた貝殻などを箱に収めた作品を、生涯に800点以上制作し、さまざまな芸術家に多大な影響を与えたコーネルの全貌に迫る。

目次

1903‐17 組み合わせチケット―本券をお持ちの方には次の特典が…
1917‐21 フーディーニを夢見て
1921‐28 セールスマン暮らし
1929‐32 ジュリアン・レヴィ画廊
1933‐36 サルバドール・ダリの消えない記憶
1937‐39 新ロマン主義者の登場
1940‐41 バレエの一夜
1942 異邦からの声
1943‐44 “ベベ・マリー”、または視覚的な所有
1945‐49 ヒューゴー画廊〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

azimuth

9
シュールレアルの傍流、抽象表現主義のひそかな実践者、そしてポップアートの先駆者であったコーネル。作品から推し量れる通りあるいはそれ以上に繊細で内気で夢想家であった彼を、敬愛たっぷりに描き、作品や人生に対する誤解を解こうと努める、伝記らしい伝記だった。とりわけ「序」の書きぶりが実に魅力的で、数行読んだだけでこのヴォリュームを読み通す原動力を得た。それにしても、箱庭、盆栽に山水と、我が国の「大きいものを小さくとらえる」芸術の伝統を思えば、コーネル嫌いな日本人いるの?と疑問に思うほどなのに、文献が少なくて驚く。2013/01/14

アイアイ

7
封じ込められている事で力を発揮する、箱の芸術。 箱の数だけ世界を作った無口なジョセフ・コーネルの人生。 父の死後13歳で一家の長になり身体障碍者の弟、母親と言うより恋人のような熱愛を持って息子を慕う愛に飢えた女に人生を捧げた。彼は母親のせいで生涯童貞だった。弟の死後に夜中オーブンの中に上半身を入れ、子宮の中に這い戻るような安心感を得たり、62歳の時、母親の死に「深い悲しみがないことに驚いた」と語る。私生活が強烈な伝記でした。▽図書館2015/03/16

rinakko

4
素晴らしい読み応えだった。天才と呼ばれた一人の芸術家の姿がありありと浮き彫りにされていく、その筆致にただただ舌を巻く思いで堪能した。何も知らず、思いも寄らなかった。私を魅了するコーネルの箱の数々は、どんなに深いところで稀有な芸術家の人生そのものに結び合わさっていたことか。完成を引き延ばし執着し続け、それらを手放すことを耐え難く感じていたコーネルの胸の内。その片鱗だけでも思い知ることが出来て本当によかった。作品をみて感じることだけが全て…という見方もあるだろうけれど、私はこの伝記を読めて今とても嬉しい。 2011/04/25

梟をめぐる読書

3
ニューヨーク住まい、無垢な少女への憧れ、生涯童貞……。孤独な路上散歩者の歩みは、アウトサイダー・アートの祖であるヘンリー・ダーガーのそれと似ているようでいて、しかしシュルレアリスムの衰退からポップアートの隆盛までのアメリカ美術史の流れと歩調を共にしていた。これはその事実を明らかにする、素晴らしい伝記。2011/02/06

2
1ヶ月以上読むのにかかってしまいましたが、コーネルのとても魅力的な作品に惹かれて最後まで読むことができました。小さな箱のなかの閉じ込められた世界のなかで、ユーモアや孤独や静謐さ、羨望などが詰まっていました。そのあまりに個人的な閉じた作品たちなのに不思議とその奥でどこか自分と繋がっているような印象を受けていました。この本を読んで、その理由が幾つかわかったように思います。2014/08/19

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