出版社内容情報
【全巻内容】1 ヘンリー六世第一部/2 ヘンリー六世第二部/3 ヘンリー六世第三部/4 リチャード三世/5 間違いの喜劇/6 タイタス・アンドロニカス/7 じゃじゃ馬ならし/8 ヴェローナの二紳士/9 恋の骨折り損/10 ロミオとジュリエット/11 リチャード二世/12 夏の夜の夢/13 ジョン王/14 ヴェニスの商人/15 ヘンリー四世第一部/16 ヘンリー四世第二部/17 から騒ぎ/18 ウィンザーの陽気な女房たち/19 ヘンリー五世/20 ジュリアス・シーザー/21 お気に召すまま/22 十二夜/23 ハムレット/24 トロイラスとクレシダ/25 終わりよければすべてよし/26 尺には尺を/27 オセロー/28 リア王/29 マクベス/30 アントニーとクレオパトラ/31 コリオレーナス/32 アテネのタイモン/33 ペリクリーズ/34 シンベリン/35 冬物語/36 テンペスト/37 ヘンリー八世
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
99
比較的早期の作とされるシェークスピアの喜劇。主従がそれぞれ双子の2組というだけでなく名前も同じ、という出来すぎた設定で進められるので読者(観客)はただただこんがらかった状況を楽しんでいればよろしいのだろう。現実にはありそうもない話だから面白いのだ。余計な考察などで頭を悩まさず、ひたすら虚心を楽しむ感覚で読むと文句なく面白い。2023/08/11
かごむし
33
二組の双子が織りなすドタバタ喜劇。最初の方は、まあよくある話だねえと、退屈しながら読んでいたけど、途中からどんどん速度を増していって、気がついたらあっという間に読み終わっていた。えっとこれが兄だから、さっきの弟と話したのは、こっちの方の兄で、いや、弟か?うまく翻弄されてしまうのは、シェイクスピアの語り口のうまさからだろうか。そういう設定から導かれるロジカルな面白さもありながら、物語として、緊張も緩和もあって、読後感はとてもよかった。本ではなくて、演劇で観ても面白そうだなあと思った。2016/03/21
こうすけ
14
二組の双子をめぐる、純粋な喜劇。アンジャッシュのすれ違いコントのよう。ラストの大団円に向かっていく筋運びは見事です。言葉遊びが連打されているけど、小田島訳では原文とは違うオリジナルの駄洒落や韻が連発されていて面白かった。シェイクスピア全戯曲完読まであと一作…!2020/09/02
うた
14
再読してみると意外によくできた喜劇であることがわかった。生き別れた二組の双子とその家族。それぞれが互いに分からないまま再会し、それぞれに幸運と災難にでくわすという。出来過ぎともみえるかもしれないけれど、登場人物たち、特に両ドローミオの台詞とあいまって、それでも読んで楽しいものになっている。しかし十二夜もそうなのだけれど、シェイクスピアの喜劇というのは一歩間違えたら、笑えない事態になりそう。そこがまた観客をひやひやさせるコツなのかもしれませんね。2016/03/12
ネロ
13
コミカル軽快な作品。駄洒落も飛び交うので日本語訳本では限界も感じるが、それでも登場人物の間違いがコロコロと絡み合い、ひとつの塊になった時いっきに解決をみる笑劇とも言える楽しいものでした。2022/12/13