出版社内容情報
碩学グリマルは、現存する戯曲作品はもとより考古学の成果をも解明の鍵としながら、ギリシアの豊饒な土壌から発生した古代演劇が都市国家の発展とともに悲劇・喜劇の偉大な作家たちを輩出し、さらにローマに受けつがれてから独自の展開をみせたのち、帝国の頽廃とともに凋落するまでを跡づける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
8
今回ギリシアをテーマに読む中で積読棚から下ろした古本。フランスの演劇文化方面の歴史研究家。神話と伝承の中に人間生活の展望を描いた悲劇・市井の喜怒哀楽と社会のへの諷刺の喜劇・悲劇の緊張を解く猥雑なサテュロス劇が舞台スペクタクルと文学性の深化で豊かな演劇に成長した。また都市市民の一体性を強化するものとなった。→2025/04/24
のほほんなかえるさん
2
昨晩、たまたま頭に落ちてきた本。読んでみたら驚いた。博学博識＆明晰的確な文章。特に２章「ドラマの形式」。悲劇と喜劇＋サテュロス劇の起源の違いや静謐の差をこれほど明確に起源を辿りながら論証できるとは。恐れ入った。2011/04/05
