出版社内容情報
信ずるものもなく、愛のうちにも激しい不安を覚えながら、心もとない日々を送る女たち。彼女たちの眼前に広がる水が映し出すものは果たして何であろうか。「船旅」「女像柱」の2編収録。
内容説明
愛すらも信じることができず、不安な日々を送る女たち。彼女たちの眼前に広がる水が映し出すものは…。
著者等紹介
グルニエ,ロジェ[グルニエ,ロジェ][Grenier,Roger]
1919年9月19日、ノルマンディー地方カルヴァドス県のカーンに生まれた。のちにピレネー山脈に近い古都ポーのリセに学び、クレルモン=フェラン大学文学部を卒業、ジャーナリストの道を選び、約二十年間新聞界および放送界で活躍した。1944年から47年にかけては、カミュやパスカル・ピアの率いる『コンバ』紙の新聞記者として、第二次世界大戦戦中戦後の動乱のなか、精力的な活動をしている。1948年から63年にかけて、『フランス=ソワール』紙の記者として司法関係からラジオ放送部門まで手広く担当し、また国営テレビ放送にも関与したことがある。一時ルノード賞の審査員を勤めたこともあり、1964年からは現在にいたるまでガリマール社の編集顧問の一人でもあって、文学界に実務的にも関わっている
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感想・レビュー
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宮永沙織
5
アバンチュールを過ごす時、彼は革命家、レジスタンスを賛同する同志だと思い、フランス女性は、主義と関係を持った訳ではないと失望する。 「死」と「死よりも辛い生」の狭間で、鬱となり、日常からの脱出の中で救いを求めようとする。決して救われないのだが、読後感は爽快ささえある。 「シネロマン」「黒いピエロ」とグルニエの小説を読んだが、やはり好きな作家だと再確認した。2018/05/23
novutama
2
気狂いにも二種類あるとあたしは思うのよ。自分をナポレオンだと思いこんでいる気狂い。彼らは明らかに間違っている。そして、人生はおぞましいものと思っている気狂い。彼らは正しいのよ。2019/09/28
かず
2
「確かなことがひとつあるの。気狂いにも二種類あるとあたしは思うのよ。自分をナポレオンだと思いこんでいる気狂い。彼らは明らかに間違っている。そして、人生はおぞましいものと思っている気狂い。彼らは正しいのよ」(『女像柱』)2016/01/22