出版社内容情報
女性器が逃げ出して町をパニックに陥れたり、失恋男が時計職人に心臓を直してもらったり……愛と性をめぐる奇想天外な超短篇集。『一人の男が飛行機から飛び降りる』の著者待望の第二弾。
内容説明
愛と性をめぐる、おかしくて、せつなくて、奇想天外な超短篇90。『一人の男が飛行機から飛び降りる』のユアグロー、待望の新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TK
11
『一人の男が飛行機から飛び降りる』を読んだ時に「後頭部をバターナイフで開けて覗き見ているようだ」と思ったが、果たせる哉、そういう一篇がこちらにあった。悪夢的とも幻想的とも違う、軟膏的な男女の機微。2014/04/24
田氏
10
訳者曰く「楽しい悪夢」、どこか捻れた幻想的な超短編小説が十八番のバリー・ユアグロー。本作はいずれの掌編も主人公たる「私」の語りで綴られる。どの「私」も女の子に熱を上げては振り回されたり、振られたり、首を絞められたり、焼身自殺を試みたり、まあだいたい恋愛がらみで酷い目にあう。どれも現実世界からすれば少しズレている話ではあるが、芯になっている情緒は妙にリアルで、全部ユアグローの実体験なのかもとすら思わせられる(結構な回数死んでるけど)。あるいは一話一話が筆者自身の煮えたぎる愛憎と悲哀が吹きこぼれた泡沫なのか。2018/09/17
鈴木律
6
「一人の男が飛行機から飛び降りる」を昔読んだので、「あ、飛行機の人だ!」と思って読みたくなった。超短編だけど、結構気合を入れて読まないと、文字が頭の中を滑っていってしまうので苦労する。情景を思い浮かべながら読む。月の光、銀色の夕暮れ、波の音、花の香り、そんな感じ。2015/07/11
Takashi Kai
5
大学んときだらだら読んでて、最近、ばたばたしていたので、ちょっと適当なもん読もうと引っ張りだしたら、あ、そうか、これ柴田元幸訳だったのか、と思い、再読。バリーユアグローは超短編小説作家。これは、星新一とは違う、はず、例えば川端康成の掌の小説に近い、、、のだろうか。えぇと、確実に近いのは、村上春樹と糸井重里の共著の夢で会いましょう、だろう、とにかく、ショートショートの切れとは異なる、奇妙な味がありながら、さらに短いのが超短編だと思っている。まぁ、どうでもいいんだけど。夢の隙間の寝床で読むにはとても良い本だ。2013/12/24
Doraneko358
3
リチャード・ブローディガンのような超短編がたくさん集められた本。ただブローディガンほど面白いとは思わなかった。2015/10/29
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