出版社内容情報
中世イタリアは一種の戦国時代であり、傭兵が重要な役割を果たしていた。稀代の武将の数奇な生涯を中心に当時の社会を活写する。
内容説明
稀代の武将の数奇な生涯を描くとともに、中世イタリアの傭兵の実態をつぶさに解説。
目次
傭兵隊長の葬儀
第1部 兵士(見習い期間;平和は災難―ブレティニ一三六〇年;軍人稼業 ほか)
第2部 人物(外なる悪、内なる徳;妻子と友人たち)
第3部 歴史と神話のあいだで(大理石の記念像と描かれた記念像;狡猾な匪賊、もしくは騎士)
著者等紹介
和栗珠里[ワグリジュリ]
1963年愛媛県生まれ。1986年神戸市外国語大学卒業(英米語学科)。1993年同志社大学文学部博士後期課程単位取得後退学(文化史学西洋史専攻)。桃山学院大学・立命館大学・神戸女学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
29
ジョン・ホークウッドは、フィレンツェの傭兵隊長として名高く、死後その肖像画がパオロ・ウッチェッロによって大聖堂に描かれるほどの人物だった。冒頭場面はフィレンツェで営まれた彼の葬儀だ。最初は聖職者、次に彼と縁のあった騎士達、政府高官、そしてこんな有名人の葬儀に立ち会うのは初めてだ!の市民が続く。同じ戦国時代といっても、自身もプロの戦闘家&戦略家であり、その時限りの傭兵を率いる傭兵隊長は、専門の兵士がいなかった日本ではないシステムだ。2022/01/01
ik
6
イタリア14世紀の戦乱のなか活躍した英国人傭兵隊長の生涯。いきなりこれから読むと情報量の多さにおいていかれかけますが高階氏の『ルネッサンス夜話』傭兵隊の4.5章を読んでから読むととても面白い。合わせて菊池氏の『傭兵の二千年史』を読むと傭兵史が概観できて更に面白い。2016/05/20
うぼん
2
家業を継げる長男でなければ聖職か兵士という時代、百年戦争の臨時休戦期間中に必然的に形成されていった暴力稼業傭兵団。彼等は戦争請負のみならず、強請、略奪、誘拐なんかもやる。封建領主没落から絶対王政国家成立へと歩んだ欧州他地域とは異なり、コムーネ間の領地争いが続く14世紀イタリア半島において、上層市民による同業組合国家、共和政フィレンツェには、なぜ傭兵の需要があったのかが丁寧に語られる前半が特に面白い。ヴァーホーヴェンのFLESH&BLOODにもホークウッドという傭兵隊長が出てくるがこれは名前だけ拝借の別人。2023/04/26
RYUJI's_Partner(ATM)
1
記録さぼってました。 某コミックに影響されて読んでしまった。いやはや、こんな人いたんですねぇ。2013/04/30