出版社内容情報
建国から七十年。独裁、民族弾圧、格差、国民監視の大国はいかに築かれたか? 世界史的視点で、中国の成り立ちと未来を解き明かす。
内容説明
二〇一九年は中華人民共和国の建国七十周年。日中戦争、朝鮮戦争、文化大革命、改革開放、天安門事件、そして習近平体制まで、世界第二位の経済大国となりながら、いまだ一党独裁体制、少数民族弾圧、都市と農村の格差といった矛盾を抱える大国の病巣を、毛沢東以来の歴史に探る。
目次
序章 中国共産党という組織
第1章 国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児
第2章 毛沢東の“国盗り”戦術
第3章 中華人民共和国の誕生
第4章 大躍進 史上最大の災厄
第5章 世界史から見た文化大革命
第6章 新たな独裁者〓小平
第7章 習近平 引き継がれる独裁の系譜
著者等紹介
楊海英[ヨウカイエイ]
1964年南モンゴル・オルドス高原生まれ。静岡大学教授。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。著書に『墓標なき草原―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店、司馬遼太郎賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
65
題名は『独裁の中国現代史』であるが、内容は清末から現在までの中国の通史となっている。共産党独裁が続いているから。題名としては間違っていないか。通史らしく基本的な部分は押さえているが、大躍進や文革、天安門といった個々の重大事件に関しては薄め。第二次世界大戦以前の中国共産党についてはあまり知らなかったので面白く読めたけど。あと著者自身内モンゴル出身という事で、少数民族問題に焦点を当てているのは有難し。ソ連と中国の狭間で翻弄されるのは本当にきつい。とりあえず本書を読めば、中国近代史の基本は押さえられると思う。2021/10/08
おかむら
34
孫文から習近平まで、怒涛の中国現代史をコンパクトに学べます。とにかく読みやすい! そして面白い! 著者は内モンゴル出身で北京で日本語を学び来日、今は静岡大教授(人類学)。中国の少数民族出身という立場から見た共産党の支配の歴史という点が、親日でも親中でもないニュートラルなそして辛辣痛快な視点で目新しい。ちょうどNHKドラマ「大地の子」の再放送を見たとこなので、 あの時の陸一心はこういう立場かーとわかりみが増したよ。そして新たにターゲットを見つけては粛清を繰り返す中国共産党ってやっぱり 怖いわ。2021/08/31
神在月
18
中国共産党がいかに世界最悪であるかがよくわかる。中国の歴史は粛清と密告に集約される。特に毛沢東の醜悪、非道ぶりに絶望感が押し寄せる。大躍進であれだけの失策を犯しながら失脚したはずなのに蘇ってくるしぶとさ!連綿と続く中国の独裁者の系譜。結局、靖国問題も 鄧小平と胡耀邦の権力闘争に利用されただけだった。モンゴル出身の著者からしたら歴代の中でまともだったのは胡耀邦だけだった。西側の「中国は豊かになれば民主化する」という誤った認識がこのモンスターを作り上げてしまった。もう時間的猶予はない。中国に与してはならない!2021/10/05
fseigojp
17
習近平が下放青年だったとは驚きだった 外国文化への理解に難ありということか2019/03/04
mitsu44
16
中国の現代史から今への繋がりを書いた本。毛沢東をはじめとする指導者たちや中華人民共和国の韓国の成り立ちなどなかなか勉強になった。2019/09/29