感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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ショーペンハウアーとニーチェという、19世紀を代表する哲学者の比較と検証を通し、意志、知性、厭世観、芸術、道徳、高貴性について述べられた一冊。厭世の徒という共通性から出発するかと思いきや、永遠を救いのなさと捉えるショーペンハウアーと幸福の永続と捉えるニーチェの異なりから記述されており、良い意味で予想を裏切られた。扱う範囲があまりに広いので一概にどうであったとは言い難いが、20世紀哲学へと繋がる鎖が輪郭を帯びた印象があった。特に主観と客観の因果に関してが面白く、少し世界の見え方が変わったことが収穫といえる。2016/04/14